飯田市立松尾小学校の校内にある田んぼで3日、5年生132人が稲刈りを行った。同校では毎年、5年生が年間を通して米作り体験学習を実施している。ことしも学校内の田んぼ4・5アールで5月下旬にしろかきを行い、うるち米「天竜おとめ」の田植えをして生育を見守ってきた。
昨年に続いてことしもれんげ農法による米作りを実践する「松尾れんげの会」の男性の指導を受けた。昨年はレンゲを栽培し10アール当たり10俵と標準以上の収穫があったが、ことしは春先の凍みが厳しかったため、レンゲの芽が枯れてしまった。
また、昨年は機械でしろかきを行ったが、ことしは児童たちが足で踏んで土を軟らかく平らに均す方法を初めて取り入れた。
この日、稲刈りの指導に来校した男性は「4・5アールで4俵の収穫は非常にいい。昨年と同じぐらいの収量を確保できた。ことしはレンゲの出来が悪かったが、その分だけ有機質肥料の追肥で補った。病害虫もなかった。学校とコラボで子どもたちにれんげ米を伝えていきたい」と語った。
児童たちは熱中症予防のため水分を補給しながら稲刈りに汗を流した。落穂を丁寧に拾い集めていた5年の女子児童は「すごい豊作で猫の手も借りたいぐらい大変。学校で収穫祭をやったら、抹茶を入れた米粉パンや、つぶあんを水に溶かした和風パンを作りたい」と楽しそうに話した。
5年4組担任の教諭は「ことしは風で倒れることもなく、水の心配もなかった。非常に順調にきた。子どもたちがかかしを24個作ったが、これだけのかかしを作ったのは初めて」と語った。11月の収穫祭にはお世話になった人たちを招き、新米でおにぎりを作って食べるという。