飯田市南信濃の和田小学校4年生8人でつくる人形劇団「和田レインボー劇団」は22日、上村小学校の3、4年生5人を和田小に招き、人形劇を披露した。地元遠山郷の人や飲食店、かぐらの湯などの話題を盛り込んだ親しみやすい物語を生き生きと演じ、笑顔を誘った。
和田小では毎年、4年生が「いいだ人形劇フェスタ」に向けて人形劇に挑戦。今年はフェスタが中止となったため、11月の南信濃地区芸術祭での発表を目標に、約1カ月をかけて準備した。皆でアイデアを出し合い物語をまとめ、人形も手作りした。
芸術祭での公演が好評で、大きな達成感を得た児童ら。「もっと演じたい」「たくさんの人に見てもらいたい」との思いに学校が応え、上村小児童を招いた発表会を企画した。
物語は日本の昔話「さるかに合戦」がベース。児童らが2年生の時、学校のプール近くにある大きなユズの木の下に秘密基地をつくった思い出を加え、「地域の豊かな自然の中、人も動物も仲良く暮らしたい」との願いを込めた。
物語の所々に出てくる地元の話題は笑いを誘い、役になり切り感情のこもった演技は大きな拍手を呼んだ。男子児童の一人(10)は「人形が見やすいように、セリフが早口にならないように心掛けた」といい、「笑ってくれたり拍手をしてくれたり、みんなが喜んでくれてうれしかった」と笑顔を見せた。
担任の山田裕教教諭(40)は「大人しい印象だった子どもたちが、人形劇を通じ、感情をしっかりと表現できるようになってきた。やり切った達成感と観客の反応に、自信も生まれている」と成長を喜んだ。
◎写真説明:人形劇を披露する和田小の4年生