泰阜村のやすおかあんじゃね学校は22日、同村唐笠の元学校林「あんじゃねの森」で森遊びの体験を行った。小学生や親子が焚き火での食事や秘密基地作りなど通じて、森の自然と触れ合った。
やすおかあんじゃね学校は、村内の子どもたちに地域の人々の知恵や技術を伝えようとNPO法人グリーンウッド自然体験教育センターの運営で行われている。2002年に学校の完全週休2日制の受け皿作りの一環として始まった。
森林での遊びは、少子化などの影響で下伊那でも外遊びをする子どもが減っている中、自然の中で遊ぶことで身体能力や感受性を育てようと続けている。
この日は小学4年生以下の児童と保護者10人ほどが参加。森林内には以前に森で遊んだ子どもたちが木の枝などで作った秘密基地もずらり。拠点になるツリーハウスから鍋や食器などを運ぶリフトも子ども達が制作した。
集まった子どもたちはリフトの紐を直してツリーハウスから道具を運び出したり、木片から箸を作ったり、そりで斜面をすべったりと森林の中で思い思いに作業や遊びを体験。
火おこしでは、燃えそうな木の枝や松の葉などを集め、マッチを使って火をつける体験をした。はじめはたきつけの紙から木に燃え移らず失敗した子どもたち。「こうしたらどうか」と相談しながら、時間をかけて自分たちで火をおこした。たき火ではマシュマロや五平もちを焼いて味わった。
あんじゃね学校を担当している池田龍介さんは「いまは子どもたちの遊びも与えられるものばかり。遊びを通じて自分たちで失敗し、考えて、やり遂げる経験をするのは、将来うまくいかないことにぶつかっても立ち向かえる力になる」と話していた。