高森町の高森南小学校5年生95人は27日、学校で避難所宿泊体験を行った。総合的な学習で防災や避難所について学んだ児童が、災害時を想定して教室内に避難所を準備。非常食での夕食を味わい、学校での宿泊を体験した。
3クラスが男女別に6つの教室に分かれて避難所を開設した。各避難所は、児童が学習成果を踏まえて工夫。感染症予防やプライバシー確保などのため、各家庭から持ち寄った段ボールで仕切りを作ったクラスもあった。
夕食は町が提供した災害備蓄用のアルファ米と乾パン、インスタントみそ汁などを味わった。夜はレクリエーションで学校内を巡るナイトウオークを行った。
5年1組の男子児童(11)は「避難所なので最初は怖いと思ったけど、みんなと一緒に学校に泊まるのはすごく楽しかった」と語った。
避難所を想定した学校への宿泊は昨年の4年1組が、台風19号災害を受けて企画したが、新型コロナウイルスの臨時休校などがあり、十分に活動できなかった。
5年生となりクラス替えをしたため、学年全体での取り組みに拡大。事前学習では、町内の防災や避難所について学習し、段ボールベッド作りなども体験してきた。
同クラス担任の井上直人教諭(30)は「4年の時にできなかったことが学年全体の取り組みとして実現できた。実際の避難所生活を体験したことがない我々教師にとっても、子どもたちと一緒に学ぶ機会になった」と話した。
◎写真説明:教室内に避難所を準備する子どもたち