飯田市立竜峡中学校(窪田正典校長)の全校生徒165人は15日、飯田市美術博物館を訪れ、菱田春草没後百年記念特別展を鑑賞した。
同校は「郷土出身画家の特別な展覧会。今回を逃すと今後見られないかもしれない」と全校生徒での鑑賞会を設定。前日に全校集会で事前学習を実施。同日午前中に通常の授業を行い午後、JR飯田線を利用して会場まで足を運んだ。
同館前でのあいさつに引き続き、学年ごと3つのグループに分かれ、館内を巡回。「菊慈童」を中心とした春草の作品や日本美術院僚友の横山大観らの作品を間近で見つめ、作品の迫力に圧倒されながら同館学芸員の説明に聞き入った。
同校2年の男子児童(13)は「いままで美術館へ絵の鑑賞に来たことがなかった。春草の絵はレプリカを見たことがあるけど、本物は初めて。とてもきれいですごい」と語った。
窪田校長は「私自身、小学生時代に見た春草展を覚えている。感受性豊かな中学生なら、さらに印象深いものがあるはず。普通の授業を削ってでも見る価値はある」と話していた。
飯田市教育委員会では、郷土出身で日本を代表する画家の作品を鑑賞できる貴重な機会として各学校へ鑑賞を勧めている。追手町小学校や下條小学校などがすでに鑑賞に訪れ、同校は3校目。今後、飯田下伊那の7校が鑑賞を予定している。