飯田市松尾小学校の3年3組(31人)は10日、岡谷市の岡谷蚕糸博物館から200頭の蚕を譲り受けた。飼育して繭づくりを目指し、飯田下伊那伝統の養蚕の一端に触れる。
総合学習の授業で蚕の存在を知り、本や図鑑で調べる中で「本物を見てみたい」という声が上がった。この日は同館から林久美子さんを迎え、蚕の生態や育て方を学んだ。
食事の回数や与え方について説明した林さんは「皆が世話をしてあげないと生きていけない。自分がされて嫌なことはしない、蚕の身になって接して」とアドバイス。児童たちは大きくうなずいていた。
譲り受けたのは脱皮を2回した2・5センチほどの3齢の蚕。林さんが持参した約8センチの5齢の蚕と見比べると、「意外と小さい」など大きさの違いに驚いた様子だった。
児童らは「初めは気持ち悪かったけど、少し慣れてきた」、「本物は思ったより小さかった。特徴をたくさん知ることができた」、「蚕の気持ちを考えて大切に育てたい」と話した。
交代で世話をし、蚕は10月ごろに繭になるという。
担任の村松和佳奈教諭(27)は「蚕を知りたいという思いがあらためて伝わってきた。命の大切さとともに、地域の昔のことも学んでほしい」と話していた。
◎写真説明:5齢の蚕を観察する児童ら