子どもの読書活動優秀実践校に対する文部科学大臣表彰の受賞校が決まり、県内からは豊丘村の豊丘北小学校(松澤郷子校長)が選ばれた。本の面白さを伝え、広めるなど特色ある活動が評価された。受賞は初めて。
子どもたちの「生きる力」を育む読書活動を推進するため、子どもが積極的に読書活動を行う意欲を高める活動において、特色ある優れた活動を行っている学校に授与される。
北小では2012年度から3年計画で図書館教育に力を入れる。まずは図書館の改造に着手し、発行年数が古い本や状態の良くない本などを書架から外した。館内にある机の配置を改め、掲示物を一新するなどして児童目線に立って利用しやすく、居心地のよい雰囲気づくりを心掛けた。
良い本と積極的に出会える場づくりとして、一角に「おすすめブック130コーナー」を設置。学年ごとにおすすめブックをリストアップし、専用のカードを配布することで本選びの目安にもなっている。おすすめブックが全て貸し出しになる日も珍しくない。
毎週月、水、金の3日間は15分の読書の時間を設定。また週に1度、学年別に「図書館の時間」を1時間確保し、学校司書から本のアドバイスを受けたりもする。住民ボランティアによる本の読み聞かせもあり、児童はさまざまな形で本に触れている。
昨年11月に村内で開催された南信図書館大会では同校の授業が公開となり、読書をテーマにした取り組みが注目された。
これまでの活動がうまくかみ合い、同校によると、図書館から借りて読んだ本の冊数は全ての学年で増える傾向にある。松澤校長は「読む量が増えただけでなく、読んでほしい本に手が届いている。読む力でだけでなく考える力、書く力にもなっている」と語り、受賞には「日頃の取り組みが評価され、大変ありがたい」と喜んだ。
本年度は3年計画の最終年度に当たり、目的を持って本を選べるような取り組みを進めたい考え。同校はいずれの学年も各クラス1つの小規模校で、全校児童は99人。
23日に東京の国立オリンピック記念青少年総合センターで行われる「子どもの読書活動推進フォーラム」(文部科学省主催)の中で表彰される。