遠山中学校が全国野生生物保護実績発表大会で発表

学校・教育

[ 2009年 11月 30日 月曜日 10時41分 ]

 飯田市立遠山中学校(伊藤正一校長)の2年生(担任・田畑孝宏教諭、10人)が、30日に東京都千代田区で開かれる「第44回全国野生生物保護実績発表大会」で、上村・南信濃地区における野鳥生息分布調査の成果や絶滅危ぐ種・ブッポウソウの保護活動を発表する。書類による1次審査を経て、全国の小中高校10校のうちの1校に選ばれた。県内では同校のみ。生徒たちは「自然が豊かな遠山郷を、全国に知ってもらえるよう頑張りたい」と話している。

 生徒たちの取り組みは、昨年度から始まった。遠山中に統合する前の上村中で、1年生3人が上村地区の野鳥と絶滅危ぐ種・コノハズクの生息分布を調べた。野鳥調査は30回80時間におよび、コノハズクやアカショウビン、ヨタカなどの希少種を確認。コノハズクの巣箱を2個設置したところ、1個からコノハズクと見られる卵の殻が見つかった。

 遠山中と統合した今年度は仲間が10人に増え、南信濃地区での野鳥生息分布調査と、絶滅危ぐ種・ブッポウソウの保護活動を柱にしてきた。おもに総合的な学習の時間を使い、休日や夜間にも活動。全国に500羽ほどしかいないという貴重なブッポウソウが南信濃でも繁殖できるように―と願い、市の許可を得て15個の巣箱を設置した。

 設置から2週間後の5月20日、巣箱に出入りするつがいを確認。15個のうち2個でブッポウソウの繁殖を確認したが、このうち1個の巣箱は産卵後に「親鳥が人を襲ったら危険」と心配した人が撤去してしまった。生徒たちは悲しみ、地域の人たちに理解と協力を求めるのが遅かったと悔やんだ。

 市の許可をもらって、広報無線で繁殖期に巣箱へ近づかないように呼び掛けたり、看板を作り繁殖に影響のない観察や写真撮影を依頼したり。このような活動が奏功したのか地域住民の関心も高まり、保護活動への理解も得られていった。

 2個のうち1個の巣箱ではえさを運ぶ親鳥の姿や、ひなの巣立ちも確認。生徒たちは「遠山谷でブッポウソウが確かに繁殖した貴重な記録になった」と手ごたえを感じた様子だった。

 「今まで自然に触れることがあまりなかったけれど、活動を通じて鳥や自然に興味を持つようになった」と、佐藤洸介君(14)。松本紗季さん(13)は「長野県の代表として、地域の素晴らしさやブッポウソウの保護活動の大切さを全国の皆さんに伝えてきたい」と語った。

 生徒を指導し、活動を見守ってきた担任の田畑教諭(45)は「活動を通じて、生徒たちは身近な自然に目を向けるようになった。豊かな自然に触れ素晴らしさを感じて、大人になってほしい。子どもたちが発信源になって、ブッポウソウなどを保護する気運が地域全体で高まっていけば」と話していた。

  

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