県立阿南高校情報ビジネスコースの3年生16人は17日、課題研究で手掛けた一口もなか「なかろん」の商品開発や販売活動について発表を行った。学校評議員や同コースの下級生が見守る中、3グループに分かれ、製造工程や販売、企画、学んだことについてプレゼンテーションした。
同コース3年生は毎年、課題研究として模擬旅行商品企画を行ってきたが、ことしは地域への貢献をテーマに町の特産品を使った商品開発に挑戦。2年間の商業科目の集大成として、また社会の厳しさを知る心構え、高校生活で通った阿南町への感謝の気持ちを込めてという3つの狙いがあった。
「なかろん」は、飯田下伊那の特産品、半生菓子からもなかを選び、阿南町の特産品を利用して開発。煎茶やトウモロコシ、リンゴなどざまざまな候補から煎茶を選び、同町新野のつるや菓子舗の協力でしろあんに煎茶を混ぜ込んで独自のあんを作り、皮は喬木村の株式会社ふくやまの協力で従来の3色に煎茶の緑色を加えた4色に決定。大倉彫刻所の協力で真ちゅうから焼印を削り出した。
製造では全生徒が腸内細菌検査、手洗い・消毒、エアシャワーなどの前準備を経て、あんこ詰めや箱の組み立て作業、焼印入れ、箱詰めの作業を実施。パッケージやメッセージは手書きにこだわり、商品ケースもコストが安くイメージに合うものを選定した。
阿南町役場での試食会を経て、10月には阿南商工業祭、11月には下栗ふれあい祭りで販売。12月の売木峠バイパス開通記念式典にはなかろんが記念品に採用された。
商品開発、製造、販売を通じて、同コース3年の男子生徒は「商品をつくることの大変さを学んだ。普段は何気なく買っている商品の見方も変わった。その商品に関わっている人々への感謝の気持ちを忘れずにいたい」と話していた。