阿南高校で「EUがあなたの学校にやってくる」開催

学校・教育

[ 2010年 5月 13日 木曜日 8時03分 ]

 県立阿南高校(五味千万人校長)で11日、EU(欧州連合)加盟国の外交官が学校へ訪問しEUや出身国について語るイベント「EUがあなたの学校にやってくる」が行われた。同校へはフランス大使館参事官代理のミカエル・ブノアさんが出席、EUの歴史や統合の精神について生徒に語った。

 同イベントはEU創立記念日のヨーロッパデー(5月9日)前後に実施されており4回目。ことしは全国110校で行われた。ヨーロッパデーは1950年にフランスの外交官だったロベール・シューマンが、平和と安定を確保するために欧州統合の理念を初めて提唱したことを記念して制定された。

 ブノアさんはEUのモットーを「多様性のもとの統合。ルールを守りながら互いのアイデンティティーを守る」と説明。EUをサッカーチームに例え「皆で力を合わせて平和と繁栄を目指そうとしている。なぜ多様性が必要かというと、自分のアイデンティティーを捨てるのではなく、それぞれの弱点を補い、強いところをあわせていきたいから」と語った。

 EU加盟国全体の人口は日本の4倍で国土は11倍。自然や気候、文化も多様で23の公用語がある。EUに加盟するには▽人権を尊重する(死刑をしない)▽安定した民主主義国▽経済が適切である▽EU法を守る―ことが条件で、参加を希望する国が条件を満たすと加盟できる。

 EUの歴史にも触れ、第2次世界大戦後の荒廃したヨーロッパを復興させるため、ヨーロッパの国々に平和をもたらさないといけないという考えから生まれた。1951年にフランスとドイツが石炭と鉄鋼を共同化することで始まり、56年に6カ国で経済共同体と原子力共同体を設立。92年に政治の共同も始まり、周囲の国が魅力を感じて加盟するようになった。

 93年には統一市場となり、人の移動や資本の移動も自由になり、2004年にはユーロが導入された。「サッカーでも他国のチームへ移籍が自由になった。ワールドカップは自分の国に戻るが、ほかの国のチームや選手を知るきっかけになっている」と話した。

 EUと日本には共通点があるとブノアさん。「自由と民主主義と人権を守り、平和活動を進めている。教育で重要な役割を果たし、温室効果ガスの削減にも取り組んでいる」と例を挙げた。EUの原則は「国々の同盟でなく人々を結びつけること」と強調し「60年間加盟国で戦争がなかったことは成果の一つ。力を合わせて全体を強くしていきたい」と語った。

 後半はブノアさんの母国フランスについて紹介し、生徒らもヨーロッパへ関心を持って聞き入っていた。

  

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