県立阿南高校1年生は4日、進路やコース選択を考える授業「キャリアデザイン」で阿南町内の4つの福祉施設を訪問し、利用者との交流やレクリエーション、ボランティア活動を通じて進路選択の1つの材料とした。
進学、情報ビジネス、福祉の3コースを2年生から選択できる同校は、1年生で進路ガイダンスを実施。8つの職業分野に分かれ、大学や短大、専門学校の教員による講義を受ける。
施設訪問は福祉分野での学習の一環で、高齢者や障害者の置かれている社会的環境や福祉施設についての知識や認識を深めることが狙い。9月から3日間に分け、各日とも40人ほどの生徒が町内の通所施設や特別養護老人ホームなど4カ所を見学、体験する。
このうち、阿南町社会福祉協議会が運営する同町西条のデイサービスセンター「サルビアの郷」には7人の生徒が訪問。介護専用の風呂や静養室など施設内を見学した後、国語読本やゲームを通じて利用者との距離を縮めた。
情報ビジネスコースを希望している男子生徒(16)は「思った以上に気さくなお年寄りが多く、楽しく話しができた。福祉の分野でいい経験ができた」と振り返った。花井英子施設長は「高齢者を敬遠することなく、人生経験豊富なところから何かを学び取ってもらいたい。やりがいのある介護の職業に興味を持ってもらえれば」と話した。