阿智村で満蒙開拓歴史展リレー講義開く

学校・教育

[ 2010年 8月 30日 月曜日 9時21分 ]

 阿智村中央公民館で29日まで開催している満蒙開拓歴史展のリレー講義が28日に開かれた。会場いっぱいに集まった約180人が上條宏之さん(県短大学長)と岡庭一雄村長、手塚孝典さん(信越放送制作部)、寺沢秀文さん(満蒙開拓平和記念館事業準備会)が語る満蒙開拓から、国と地方の関係や地域のあり方、史実をいかに伝え、平和をどう守っていくかを考えた。

 このうち日本近現代史の研究者で、県満蒙開拓史の編集委員長を務めた上條さんは、満州移民政策の展開と実態、背景を端的に解説した。

 下伊那(飯田下伊那)が多くの開拓移民を送り出したのは「よく取り上げられる経済的要因は決定的なものではない」とし、「県の経済施策より独自の方針で乗り越えようとしていたが、移民が国策で進められるようになると先んじて進めるようになった」と述べた。

 生活のために子どもを売らなければならないような状態だった東北地方より移民を多く送り出した背景には「満州に対する理想があり、イデオロギーの問題もあったと思う。町村の独自性が極めて弱かった。情報が一元化してからめ取られてしまった」と指摘した。

 また「戦後の日本政治は負の遺産に目を背けず、生かすということが足りなかった。国民もきちっと考えなかったといえる」「いまだに地域主権がなかなか実現せず、町村が財源と権限を持った生活の場として機能することが難しい」と戦後と現状に対する問題も投げ掛けた。

 満蒙開拓記念館については「民間の力を基本に、行政がかかわってつくることは非常に重要。この地に作り、国内外に発信する試みからは学ぶべきものがある」と語った。

  

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