高森町高森中学校で11日、改築校舎の落成式と統合開校50周年の記念式典が開かれた。生徒や来賓、住民らが出席。新校舎の完成を喜び、歴史を刻み続けた半世紀の節目を祝った。記念演奏会もあり、新しくなった体育館にピアノの優雅な音色を響かせた。
高森中学校は1963(昭和38)年、高森南中学校(市田)と高森北中学校(山吹)が統合し創立。64年に普通教室棟が完成して以来、49年間で約8200人が卒業した。50周年記念式典は当初、来年に予定していたが、落成式にあわせて1年前倒した。
落成式で、主催者を代表しあいさつに立った熊谷元尋町長は「新校舎には卒業生や住民の思いがいっぱい詰まっている。大切に使ってください」と呼び掛け、地域のよりどころになるよう期待を込めた。
酒井正浩校長は生徒会や部活動などを通して「新校舎に命を吹き込むべくまい進していく」と述べ、生徒会長の三石賢志郎君は長い伝統を引き継ぎ、さらに発展させていくとし「新たな高森中の歴史を一緒に刻んでいきましょう」と述べた。工事関係者らに感謝状が贈られ、「工事の記録」と題しビデオ上映もあった。
実行委員会(佐々木一寿委員長)による50周年記念式典では経過報告や記念品贈呈に続き、生徒会アトラクションとして生徒が合唱やダンス、作文を発表した。またピアニスト山本貴志さんによる記念演奏会も開かれ、多くの住民らが軽やかな音色に聞き入った。
校舎の老朽化などに伴い、町は現地改築を決めた。改築事業は2008(平成20)年度から検討が始まり、昨年12月までに完成した。町特産の干し柿「市田柿」をイメージしたというオレンジ色の外壁が目を引く。中庭を囲むように北校舎、南校舎、メディア棟、体育館を配置。内部は木の温もりやゆとりを感じられるよう施されている。