「小渋川非常口」掘削始まる 南ア長野工区で2カ所目 大鹿村

リニア中央新幹線

[ 2017年 7月 3日 月曜日 15時12分 ]

掘削が始まった小渋川非常口

 2027年の開業を目指すリニア中央新幹線計画で、最難関工事とされる南アルプストンネルの長野工区のうち作業用トンネル坑口「小渋川非常口」(大鹿村上蔵)の掘削工事が3日始まり、JR東海は報道陣に公開した。4月27日の除山(のぞきやま)非常口(同村釜沢)に次ぎ、県内では2カ所目のトンネル工事。

 大鹿ではリニア本坑につながる作業用トンネル(斜坑)3カ所が計画される。三つの非常口を順次掘り進め、掘削終了後には地質や出水の状況を見るため本坑に並行して先に掘り進める「先進坑」の掘削に取り掛かり、その後本坑を掘る。斜坑はリニア開業後は本線から地上に出るための非常口となる。

 この日、小渋川坑口では作業員ら約20人が重機2台を使い、作業用ヤードの南東に位置する斜面を掘り始めた。当面は重機で掘り進め、発破作業についてJR側は「硬いものが出た時に、地質の状況を見て判断する」とした。

 小渋川の作業用トンネルは長さ1・1キロ、掘削断面は高さ7メートル、横幅9・5メートル。2018年の前半をめどに掘削が完了し、その後先進坑の掘削に入る。

 作業用ヤード(約5000平方メートル)には発生土の仮置き場や資材置き場、濁水処理設備、プラントなどを備え、環境保全対策として周囲に防音壁と仮囲いを設置した。

 黒い外壁の仮置き場は高さ15メートルで、トンネル掘削で出る土を最大4200立方メートル置くことができる。土はベルトコンベアを使ってトンネル内から運び込む。JRによると、3日間の仮置きで重金属を確認した後、ヤードに隣接する別の仮置き場に移す。隣接する仮置き場の容量は15万立方メートル。

 南アのトンネル掘削で大鹿村から出る残土は約300万立方メートル。大半は村内に仮置き後、改良工事完了後の県道松川インター大鹿線を使って村外へ搬出する。隣接する松川町生田の処分候補地へ搬出される見通しだが、まだ決定はしていない。JR側は「村内には最終置き場もあり、当面はしのげる」とみた。

 計画だと、残土の村外への搬出は19年春から始まり、25年半ば頃まで続く見通し。

 大鹿村内は8カ所に残土の仮置き場を設け、このうち村総合グラウンドと村歴史民俗資料館「ろくべん館」前の2カ所は最終置き場となる。どちらも施設整備に向けた造成に残土を利用する。

 残りの「釜沢非常口」(同村釜沢)は、進入路となる仮設橋設置に時間がかかることから計画が大きくずれ込み、来年4月頃の掘削開始を予定。

 本坑は23年春ごろの貫通を目指す。先進坑のうち小渋川―釜沢間は来年の秋ごろに貫通する見通し。

  

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