「飯田駅は既存駅に併設を」リニア交政審で有識者が提言

リニア中央新幹線

[ 2010年 7月 31日 土曜日 13時45分 ]

 リニア中央新幹線の整備計画を検討する国土交通省交通政策審議会鉄道部会小委員会(小委員長=家田仁東大大学院教授)は30日、同省で6回目の会合を開き、有識者2人の意見聴取を行った。既設インフラの中心点にある在来線駅に中間駅を併設すべきだと主張した日本政策投資銀行の藻谷浩介地域振興グループ参事役は、飯田の中間駅について「今の飯田駅に併設するしかありえない」と指摘した。同委はこれまでのヒアリング内容について、同日から意見公募を実施することを決めた。

 藻谷氏と日本総合研究所の寺島実郎理事長の2人が中央新幹線の必要性や民間企業による整備、総合交通体系など複数の観点から、計画に対する考えを伝えた。

 両者とも東海道新幹線の2重系化の必要性を挙げて、大阪までの速やかな全線開業が必要だとする認識を示し、「国家の骨格的な交通網を長期安定的に確保するために合理的」(藻谷氏)、「定住人口が減少するからこそ、移動人口の増大による活性化が必要だ」(寺島氏)などと語った。

 藻谷氏はJR東海による需要予測の甘さを指摘し、「下振れした場合の採算と、その際の対処シナリオを設定するべきだ」と強調。ガソリン税活用などを例に挙げて、JR東海と国など公共団体との協働が不可欠だとした。

 寺島氏は「JR東海の自主性を尊重するべきだ」とした上で、民間資金を投入する支援コンソーシアムの設置を提案。「リニア技術は日本再生のシンボルになり得る。日本の民間が総力を挙げて支えるべきだ」とした。

 経路問題について具体的言及はなかったが、中間駅設置の考え方については藻谷氏が地域名を挙げながら提言を重ねた。

 「本来は中間駅はいらないものという考え方は間違っている。中間駅がなかったら観光目的の利用者数が落ちる」とし、各駅周辺の経済効果の最大化と弊害防止のためにも、JR東海が独断で設置位置を決めるのではなく、沿線自治体の関与を認め、助言を求めるべきだと主張した。

   飯田の中間駅については高速道路との結束が不可欠だとし、「中央道に一番近い場所に飯田駅があり、市街地の中心に位置している。そこに併設するしかありえない」と指摘。「郊外に設置すれば10キロを超えるアクセス道が必要となり、莫大な投資が自治体に求められる」とも語り、既存の交通体系を活用できる設置をJR東海に求めるよう促した。

 2氏の提言を受け、家田委員長は終了後、「委員が必要性を認めれば、国交大臣への答申に、民間資金の投入などを求める提言を加える可能性もある」と説明。有識者ヒアリングを今後も継続する考えを示した。

 また、事務局の国交省は、これまでに行ったJR東海や沿線10都府県の意見聴取の内容について、幅広い国民から意見を聞くパブリックコメントを同日から実施する方針を示した。

  

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