リニア「青木川工区」の工事説明会

リニア中央新幹線

[ 2018年 8月 30日 木曜日 15時51分 ]

aokigawakouku

 リニア中央新幹線の2027年開業に向けて建設を進めるJR東海は29日、大鹿村―豊丘村の伊那山地トンネル(15・3キロ)のうち大鹿村内で東側の約3・6キロと非常口からなる「青木川工区」に関する工事説明会を、地元住民を対象に行った。工事説明会は着工の前提となる。全村民を対象にした説明会も今後開く予定。順調に進めば来年1月ごろ、作業用トンネル(非常口)を掘り進めるためのヤード整備に着手する見通しだ。

 工事説明会は非公開。JRによると、古谷佳久担当部長らが出席し、トンネルの施工手順や発生土置き場の利用計画、工事用車両の運行ルートや台数、安全対策、環境保全について説明した。

 JR側が示した計画だと、来年1月ごろから非常口工事のヤード整備に着手し、作業用トンネルの掘削は来年夏ごろから。掘削は3カ月ほどで完了する見通しで、本坑の掘削開始は来年の冬ごろになる。

 1ヘクタールの工事ヤードには発生土の仮置き場や濁水処理施設、防音タイプの重金属判定用土砂ピットなどを備え、環境保全対策として周囲に仮囲いと防塵ネットを設置する。仮置き場の容量は2万立方メートル。

 作業用トンネルからは約65万立方メートルの残土が出る。残土は仮置き後、青木川上流にある残土置き場候補地の深ケ沢(7~8万立方メートル)に埋めるほか村総合グラウンドの整備などに活用し、村外の候補地へも運び出す。

 作業用トンネルは、リニア開業後は本線から地上に出るための非常口となる。

 工事用車両が通る国道152号の安全対策として、8カ所で改良を計画。また青木川に架かる下榑渡橋の架け替え工事を県との負担で行い、集落付近には防音パネルを設置する。

 工事の本格化に伴い、資機材と残土運搬を含めた工事用車両の通行は1日最大で約1350台(往復)。運行時間帯は残土運搬が午前8時~午後6時、資機材が午前7時半~午後7時。安全対策として要所に交通誘導員を配置し、通勤や通学の時間帯は通行台数の調整に努めるとする。

 伊那山地トンネルは全長約15・3キロ。青木川工区では、山腹から作業用トンネルを豊丘村方面の本線に向かって約600メートルほど掘り、到達点から大鹿村方面へ本線を掘り進める。

 JRは昨年8月、飛島建設(東京)と奥村組土木興業(大阪市)の共同企業体(JV)と工事契約を締結した。工期は2026年9月30日まで。工事関係者の事務所と宿舎は非常口近くに置く。

 伊那山地トンネルのうち坂島工区(豊丘村―大鹿村、5・1キロ)は昨年6月、トンネル着工に向けた道路改良工事に着手している。道路改良工事のうち林道と村道は今月末に工事がおおむね完了する見通しで、早ければ今秋にも作業用トンネルのヤード整備に入る。

 一方、豊丘村西側に位置する6・6キロ区間「戸中・壬生沢工区」は工事契約の準備を進める。同工区は山岳トンネルで一般的な「NATM(ナトム)」と呼ばれる工法を採用。本坑や作業用トンネルの掘削、豊丘変電所の用地造成が工事内容となる。本坑は最大で地下約420メートルの深さに達する。工期は2026年9月30日まで。同工区から約125万立方メートルの残土が発生する見込みだが、残土処分地は確保できていない。

  

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