リニア中心線測量始まる 用地の取得範囲明らかに

リニア中央新幹線

[ 2015年 5月 1日 金曜日 16時17分 ]

 東京―名古屋間の2027年開業を目指すJR東海のリニア中央新幹線計画で、同社は30日、建設に必要な用地取得の範囲を明らかにするための中心線測量を県内で初めて実施し、作業の様子を報道陣に公開した。地上区間となる飯田市や喬木村、豊丘村の天竜川周辺エリアは6月をめどに完了させる計画。トンネル掘削のための斜坑(非常口)計画地の周辺では、ヤードの範囲を固めるための基準点測量も順次始めている。

 同市座光寺の中部電力飯田変電所近くの現場を公開。用地取得の実施にあたり、路線の中心位置を示す長さ約60センチの木の杭を20メートル間隔を基本に設置していくが、作業初日となったこの日は中心点標を4カ所に設置したほか、付近の道路上からルートを確認できる「ルート表示杭」も1カ所設置した。

 中心線測量は、決められた線形から計算した主要点や中間点について緯度や経度などを確認しながら導き、中心点標を設置する作業。飯伊では現地の状況にもよるが、数十メートル間隔で中心点標を設置することを予定している。

 中心線を正確に決めることで、取得を予定している約22メートル(路線)の用地幅を固めることができる。

 JR東海が測量に着手したのは、県内52・9キロの路線のうち、天竜川周辺を中心とする明かり区間の約5キロ。飯田市上郷の駅周辺部や喬木村阿島の高架橋部などは6月までに完了させ、大鹿村の小渋川渡河部や南木曽町などは6月以降に着手する。トンネル部は区分地上権の設定を予定している土被り5―30メートルの範囲でも行う。

 中心線測量のほか、トンネル掘削のための斜坑(非常口)計画地の周辺では、ヤードの範囲を固めるための測量も順次行っている。

 測量で取得に必要な用地幅が確定した後は、地権者に対して用地説明会を開き、同意が得られれば取得の手続きに入る。

 同社は飯田市と長野県との間でそれぞれ用地取得事務に関する委託協定を結んでおり、調査や用地交渉、契約業務について飯田市内は同市、大鹿、豊丘、喬木、阿智村は県が受け持つ。市内で想定される地権者数は約200人、町村は南木曽町分を含めて約200人を想定している。

 飯伊では沿線5市村のうち、南アルプスを貫く長大トンネルを計画している大鹿村内では年内に道路改良工事や作業用トンネルの掘削を予定。豊丘村でも年度内に作業用トンネルの掘削を計画している。

 2村のほか、飯田市、喬木、阿智村でも、用地測量や取得の手続きを開始する。中央新幹線長野工事事務所の古谷佳久所長は「地元地域や地権者の了解をいただき測量に着手できることに感謝したい。測量から調査、設計、用地取得、着工と長いプロセスがあるが、一つ一つ取り組んでいきたい」と述べた。

  

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