リニア中間駅位置案公表で牧野市長が記者会見

リニア中央新幹線

[ 2011年 8月 9日 火曜日 9時28分 ]

 リニア中央新幹線の県内ルートと中間駅位置案を盛り込んだ環境配慮書が公表されたのを受け、飯田下伊那の市町村や議会、経済団体、市民団体などでつくる「リニア中央新幹線建設促進飯伊地区期成同盟会」(会長・牧野光朗飯田市長)は5日夜、臨時記者会見を市役所で開いた。この中で牧野会長は、水源域の回避について「配慮する旨の記述はみられるものの、3キロ幅のルートは水源域にかかっており、水源域に対する影響が回避されるか否かは明確とは言い難い」と指摘。「今後、JR東海から直接説明してもらった上で、引き続き水源域を完全に回避するよう強く訴えていく」とした。また、直径5キロの円による駅想定区域の範囲に現飯田駅が含まれていないことについて「極めて遺憾に思う」と述べた。

 配慮書でJR東海が現駅併設を困難とした考え方の違いについて、同会長は「技術的には現駅併設も郊外駅もどちらも可能だが、JR東海にとって現駅併設の最も大きな課題は郊外駅に比べ約3キロ路線が長くなり、整備費用が500~600億円増える。これに対し、当地域の考え方は、行政コストが駅本体に350億円のほか、アクセスや駅周辺の新規基盤整備に現駅併設だと約180億円、郊外駅だと400~500億円かかる。郊外駅の選択によって、行政コストの負担増は大変厳しく、これをできるだけ圧縮するためにも、既存の道路インフラなどが整っている現駅併設がベストと考えてきた」と説明。

 「6月9日に初めてJR東海と面談してから約2カ月、民間企業の経済効率性と地域振興の折り合いをどのようにつけるのか模索してきたが、結局、両者の考え方のギャップを埋めることはできず、JR東海の考え方が示された」との認識を示すとともに、国家的プロジェクトとして国の関与を今後さらに強く訴えていく考えを示した。

 JR東海との面談では、環境配慮書の作成にあたっては▽水源域回避▽現飯田駅併設▽アクセスの利便性向上―とともに「計画の推進にあたっては、沿線地域の意見が十分反映されるよう協議を行い、誠実に対応する」よう要望した。この点について、同会長は「他県が環境配慮書の内容について2年余りにわたって協議してきたのに比べ、今回の公表までの協議期間はかなり短いものだったと言わざるを得ない」と指摘。「戦略的環境アセスメントでは複数のルートを示すことも可能であるし、今後の地元との円滑な協議を考慮すれば、現駅併設案の議論の余地を残すことも可能だったのではないか。この点についてもJR東海から直接説明を聞きたい」と述べた。

 注目される今後の対応については「JR東海からの説明を直接聞いた上で、県知事の考え方も聞き判断していくことになるが、いずれにしてもJR東海の考え方は示されたので、同盟会だけでなく、広域連合や市議会などにも早急に協議をお願いする。同盟会としては、今後もリニア将来ビジョンに示すまちづくりの実現に向け、全力で取り組む」と述べるにとどめた。

 南信州広域連合は9日、臨時連合会議を開く。飯田市議会リニア推進特別委員会も同日開催する。

  

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