リニア交政審が意見聴取

リニア中央新幹線

[ 2010年 9月 30日 木曜日 9時29分 ]

 リニア中央新幹線の整備計画を検討する国土交通省交通政策審議会中央新幹線小委員会(委員長=家田仁東大大学院教授)は29日、同省で8回目の会議を開き、伊藤滋早稲田大学特命教授から意見を聴取した。同教授は、地方都市再生の観点から中間駅それぞれに個性を持たせるべきだと主張し、飯田駅については「山岳地域の景観を活用した国際リゾート地域を形成すべき」と提言した。席上、8月に実施したパブリックコメント(意見公募)の結果も公表。事務局は南アルプスルートの選定や飯田駅の実現を求める声を主な意見の一部として取り上げた。

 有識者の意見聴取では、伊藤教授が巨大都市圏の誕生と戦略的地方再生の観点から、リニア計画の意義を説明した。

 リニアが果たす機能を、大都市圏間の時間短縮による経済活動への貢献と、中間駅設置によるエリア振興に分けて解説。中間駅設置については「地方都市再生、広域自立圏域形成の好機」と位置付け、長野、神奈川、山梨、岐阜、三重、奈良の6地域にそれぞれの個性を持たせ、海外に売り込むべきだと主張した。

 「中央、南アルプスの山岳地域に大都市圏から30分以内で到達できるのは外国人にとって大きな魅力だ」とし、飯田、山梨の中間駅エリアには「景観を生かした国際リゾートを形成すべきだ」と提案。景観や自然環境、質の高い居住環境を生かした2地域居住の促進や、リニア駅と高速鉄道を直接的に結節させた施設整備の必要性を唱えるとともに、地方都市再生のモデル構築に向けて「中心市街地設置型の中間駅整備が必要だ」と訴えた。

 メガリージョン(巨大都市圏)の誕生については、東京―大阪間の2万平方キロメートルに約5000万人が居住している状況を「世界のどこにもない高集積巨大都市圏だ」と指摘。「大都市圏間の時間短縮が情報交流のムダをそぎ落とす」とし、ビジネス追求に訴求力を持つとの予測を伝えた。

 会議ではほかに、南アルプストンネルの技術的課題について、鉄道・運輸機構が考察を伝えた。

 先の審議会で、村井仁前長野県知事が北陸新幹線で検討され、見送られた北アルプストンネルの経過を踏まえて寄せた疑問を受けたもので、機構は施工技術の進歩や勾配に強いリニアの特性などを説明して「適切な方法を選択することで施工は可能だ」とする評価を再度伝えた。

 終了後、家田委員長は、経路選定について委員会としての意見を答申に盛り込みたい考えをあらためて示し、「高速道路との結節などにより駅勢力圏の拡大を図り、ルートからはずれる地域も振興できるような提案をしたい」と主張。南アトンネルについては私見として「技術的課題はクリアできている」と話した。

 次回の会議で事務局が費用対効果の試算を報告し、中間まとめに向けた論点整理に入る。

  

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