リニア交政審が10回目の会議開く

リニア中央新幹線

[ 2010年 10月 30日 土曜日 8時58分 ]

 リニア中央新幹線の整備計画を検討する国土交通省交通政策審議会中央新幹線小委員会(委員長=家田仁東大大学院教授)は29日、同省で10回目の会議を開き、ルートや走行方式、建設・営業主体の指名などについて非公開で論点を整理した。家田委員長は終了後、「委員の意見に大きなばらつきはなく、180度違う意見はなかった」とし、11月12日の次回会議から意見集約を図る考えを明らかにした。焦点の経路選定については、これまで直線の南アルプスルートに対する異論が出ていないため、早ければ次回にも推奨経路として意見がまとめられる可能性がある。

 「経路選定など、神経質な問題について本音で議論する」(家田委員長)ため、初めて非公開で開き、終了後に家田委員長が記者の質問に答えた。

 会議では、委員一人ひとりが口頭または書面でルートの選定や建設主体の指名、リニアか新幹線かの走行方式、建設費の負担のあり方などについて意見を出し合った。

 家田委員長は、経路問題について具体的な言及は避けたものの、「意見はばらついているわけではない。一致をしたということはないが、180度違う意見はなかった」とし、次回会議までに事務局が骨子をつくり、それをたたき台に意見を集約するとの意向を示した。

 南アルートの優位性が認められた経済効果や費用対効果の試算については「計算方法に対する異論はなかった」、東京―名古屋間を2027年、大阪までを2045年としたJR東海の開業時期の想定は「早めた方が良いという意見がある一方、早めることは難しいという声もあった」と説明。「伊那谷ルートを押す声はあったか」とする質問にはコメントを避けた。

 年内を想定している中間まとめに向けては「悩ましい問題もあり、スムーズにいくとは思えないが、なるべく早い時期に結論をまとめる方向でいきたい」と語った。

 同委は経路の一本化に向け、ルート別の経済効果や費用対効果を独自に試算。前回の会議で投資に対する便益は南アルートで1・51倍、伊那谷ルートで1・24倍(大阪まで2045年に全線開業、経済成長率1%、高速道路料金据え置きの場合)、経済効果は2045年の時点で南アが8700億円、伊那谷ルートが8300億円などとする結果を公表した。

 いずれもJR東海が試算した建設費や維持費、輸送需要量の予測で認められた南アルートの優位性を固める結果で、事実上、他のルートが選定される可能性はなくなっている。

 今回の会議録は、事務局の鉄道局幹線鉄道課がまとめ、次回会議までにホームページで公開する。次回で全3回を予定していた論点整理の日程を終了するが、同課は「委員からの要望があれば、論点整理の回数を増やす可能性もある」とし、経路選定の時期について「まだわからない」とした。

  

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