リニア交政審4県ヒアリング、村井知事が南アルート容認

リニア中央新幹線

[ 2010年 6月 5日 土曜日 13時46分 ]

 リニア中央新幹線の整備計画を検討する国土交通省交通政策審議会鉄道部会リニア小委員会(委員長=家田仁東大大学院教授)の4回目の会合が4日、同省で開かれ、長野、神奈川、山梨、岐阜県の知事からヒアリングを行った。争点の経路問題について村井仁知事は、公正な審議を求めるにとどめ、事実上、JR東海が想定している南アルプスルートを容認。横内正明山梨県知事は用地確保の問題などを挙げて「南アルートが望ましい」と主張した。

 経路問題について村井知事は、南アルートと伊那谷ルートの2案をめぐって地域ごと意見が分かれている県内の状況を説明。「ルート問題によって、地域間に亀裂が走ってしまうようなことは避けたい。中立、公正な立場で審議し、結論を出してほしい」と求めたものの、県民の総意としてきた伊那谷ルートによる建設について具体的要望はしなかった。

 一方、横内山梨県知事は、甲府盆地内の用地買収の難しさや環境・文化財保護の観点を挙げて「南アルートが望ましい」と主張。リニアとの競合による中央線の利便性低下も懸念した。

 また、松沢成文・神奈川県知事は、相模原市付近への中間駅設置を、古田肇・岐阜県知事は同県内への総合車両所設置を要望した。

 JR東海が地域負担を想定している中間駅の建設費については、4県の知事が負担軽減を求めて一致した。

 松沢・神奈川県知事は「沿線自治体は駅周辺のまちづくりにも取り組む必要があり、駅の建設費を全額まかなうことは困難だ」と強調。横内・山梨県知事は、乗降場や駅事務室、改札など鉄道施設としての駅の部分はJR東海が負担すべきだと指摘した。

 村井知事や古田岐阜県知事も同調し、JR東海と地元に加え、国も交えて適切な負担割合について協議すべきだと訴えた。

 リニアの経路問題をめぐって、県内では上伊那や諏訪地域が迂回の伊那谷ルートを要望しており、県も過去の活動経過を踏まえて同調してきた。

 一方、飯田駅設置を目指す飯田下伊那地域では、同駅設置が仮定されている南アルートによる早期実現を願う声が広がっている。

 JR東海は、先の審議会で「南アルプスルートで進めるしか道はない」(山田佳臣社長)とする考えを審議会に伝えている。

 南アルートに疑問を投げてきた長野県が手を下ろしたことで、経路問題は着地点が見えてきた。

 審議会は沿線他県のヒアリングや有識者の聞き取り調査と並行し、独自の試算を実施。秋までにルートごとの経済効果や利便性、環境への負荷などについて評価し、中間報告で推奨ルートを示したい考えだ。

  南アルートが確定すれば、同社が仮定している飯田駅の設置が現実的になる。

 

 

 

 

  

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