リニア南アルプストンネルで起工式

リニア中央新幹線

[ 2015年 12月 19日 土曜日 8時28分 ]

 東京―名古屋間で2027年の開業を目指すJR東海のリニア中央新幹線計画で、同社は18日、南アルプスを貫く全長約25キロの長大トンネルのうち、山梨県側の工区で起工式を行い、工事着手した。沿線での本格工事は初めて。柘植康英社長は「10年という長い道のりだが、社を挙げて難工事を乗り越えたい」と述べた。大鹿村内の長野工区でも今冬の着工を目指している。

 南アトンネルは長野、静岡、山梨の3県をまたぐ長大な山岳トンネルで、3000メートル級の山脈を最大1000メートル超の土かぶりで貫く。

 今回着工したのは東側の山梨工区で、同県南巨摩郡早川町新倉から静岡県境までの7・7キロを25年10月まで10年間の工期で掘削する。

 起工式には同社や施工業者、県、町などの関係者ら約90人が出席。神事では柘植社長が鍬入れを行い、安全を祈願した。

 式後に取材に応じた柘植社長は、工事の安全や環境保全に加え、地域との連携を重視する姿勢を強調。開業までの課題として南アトンネルの他、現駅直下に計画している品川、名古屋のターミナル駅整備や5000人超を対象とする用地取得、環境影響評価の実施、発生土の処理などを挙げた上で、「本格工事のスタートにあたり、社を挙げ、緊張感を持って臨みたい」と決意を語った。

 起工式の会場となった早川町の斜坑口の先には、20年に地質調査の一環で掘削した全長約2キロのボーリング坑があり、本線工事では斜坑として活用する。資材置き場の整備など準備工事を行った後、来年3月ごろから掘削に取り掛かり、来年秋ごろにトンネル本体となる本坑の掘削を始める。

 南アトンネルの工区は他に、西側の長野工区(8・4キロ)と、中間の静岡市の工区(8・9キロ)があり、長野工区でも業者の公募手続きを進めている。工期は26年11月30日まで。来年1月15日を見積書の提出期限としており、契約締結後に工事説明会を開き、着手する。

 同社はこれまで長野工区の着工時期を「今冬」としてきたが、大鹿村が本線起工前の着手を求めている残土搬出経路の県道松川インター大鹿線の着工見通しが当初予定の「秋ごろ」から「年度内」にずれ込んでおり、「今冬」に着手できるかは不透明だ。

 同社は昨年12月に東京、名古屋の両ターミナル駅でリニアの工事に着手している。

  

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