リニア将来構想 ワーキンググループが「産む・育てる・学ぶ」を議論

リニア中央新幹線

[ 2010年 6月 17日 木曜日 16時05分 ]

 リニア中央新幹線飯田駅設置を見据えて地域の将来像を検討するため南信州広域連合が設置した「リニア将来構想検討会議」の第1ワーキンググループの初会合は15日、飯田市公民館で開いた。地域や関係団体の代表、市町村職員など16人の委員が「産む・育てる・学ぶ」をテーマに検討に入った。座長を飯田青年会議所の田中久理事長、コーディネーターを有識者会議と検討会議の委員も務める法政大学サスティナビリティ研究教育機構の吉野馨子プロジェクト・マネージャ(准教授)が務める。これで4つのワーキンググループが出そろった。

 意見交換の中で、下伊那教育会の代表で下條小学校の伊坪裕司校長は「子どもの心を起点に、リニアがどういう影響を子どもに及ぼすか考えておきたい。どこに駅をつくっても学校にひっかかってくる。道路が整備され、飲食店や大型店などができ人が集まってくると混在することになるので学校が間接、直接的に影響を受ける。軽井沢のように歴史が古く学校と分離されていると影響はない。飯田に駅ができると必ず大きな変化が起きる。影響を受ける材料をどうしていくか考えることと、伝統文化を含めた飯田下伊那のよさを守っていかねばならない」と意見を述べた。

 飯田市子育て支援課の伊藤実課長は「次世代へ夢を持ってもらいたい。豊かな自然や環境、人々の人情は守っていきたい。変えたいものは若者が外に出ても帰れない理由となっている働く場所がない現状。リニアが来ることによって既存企業が大きく伸びてもらいたい。専門教育を受けられる場所もできれば」。

 おもしろ科学工房代表の三浦宏子さんも「帰ってきたくても就職先がない」と指摘しながら、「飯田は何もないところにたくさんのいいものがある。そうしたものがリニアに奪われるのはとても悲しいこと。野菜をつくっている農家の人がどれだけプライドをもっているか。それを買う人がどれだけ認知しているか。住んでいる人たちの認知度が低いのが悲しい。プライドを持って地元で生きるように考え方を変えてほしい。地元の企業を大事にしない地域は生き残れない」と述べた。

 松川町教育委員会生涯学習課の小木曽雅彦係長は「不登校のない地域、地域の教育力が高い地域、おいでなんしょとやさしい言葉でお出迎えする地域を守りたい。それに加え、東大の飯田分校ができれば」、北部ブロック代表で豊丘村公民館の唐沢克己館長は「心安らぐ環境(ハード面)と躍動する個性(ソフト面)を守りたい。心安らかで豊かな環境の保持、個人個人の生きがいの創造、他を思いやる人間関係の構築」を課題に挙げた。

 飯田女子短期大学幼児教育学科の松崎行代准教授は「次世代にとって住みよい社会とは人間らしい生活ができる社会。具体的には、人と人のかかわりを楽しめてそこから学びがある。自分の価値とか居場所が感じられる。実体験を通した学びや生活ができる。新しい情報が入ってきて、人との出会いと交流が生まれる。伝統文化も新しい刺激をうまく取り入れたものが生き残っていける」と意見を述べた。

 飯田市連合婦人会の森本サカエ副会長は「子育て支援の以前に結婚することを考えないと人口が減る。自然や環境をどう守るかも課題」と指摘。鼎公民館で子育て活動に取り組む山田安世さんは「名古屋生まれ、三河育ちで夫の転勤で飯田に来た。子育て世代は組合に入っていないと地域とのかかわりが薄い。地域とのかかわりがあってこそ地域がいいと思える。自然の中で豊かな体験ができるよう、リニアができても豊かな環境を残してほしい」と語った。

 次回は、7月2日午後2時から飯田市公民館で開催する。誰でも傍聴できる。

  

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