リニア将来構想検討会議の第3回有識者会議開く

リニア中央新幹線

[ 2010年 9月 16日 木曜日 9時35分 ]

 リニア中央新幹線飯田駅設置を見据えて地域の将来ビジョンを描くため南信州広域連合が設置した「リニア将来構想検討会議」の第3回有識者会議が14日、県飯田合同庁舎であった。4つのワーキンググループ(以下WG)の検討状況報告と意見交換を行い、将来構想策定に向けて各委員から意見を聞いた。検討会議では、有識者会議の3回の議論を参考に各WGで詰めの検討を行い、11月を目途にリニア将来構想をまとめて広域連合に報告する。検討会議の報告を受け、広域連合での議論が注目されることになる。

 有識者会議は、(財)都市づくりパブリックデザインセンター理事長で(社)日本都市計画学会低炭素社会実現特別委員会委員長を務める小澤一郎座長以下、各分野の専門家や学識者ら12人と、広域連合から牧野光朗飯田市長以下首長ら5人の計17人の委員で構成する。

 今回が最終となる会議で4つのWGのコーディネーターを務める各委員からそれぞれ検討状況の報告を受け、意見交換した。この中で、第1WG(テーマ「産む・育てる・学ぶ」)の報告に対し、委員から「子どもや若い人たちにふるさとの思いを育てることに共感する。教育との関連が大きい」「国際化の中で、小さくてもメッカになるやり方がある。ローカルでもキラリと光ることを考えた方がいい」といった意見が出た。

 第2WG(テーマ「住む・交流する」)の報告に対しては「地域通貨はあまり長続きしているところがない」「住む基本は家。風土になじんで練り上げられたものがあるか。どういう家がいいのかもう一度再発見して」といった意見。

 第3WG(テーマ「働く」)の報告に対しては「魅力的な地域でないといい人材が集まってこない。医療環境、教育環境がどれだけ整っているかが真っ先にくる。17年間かけてどう整備していくか。学術的な会議が開ける会場を温泉の近くにつくるようなシステマチックな整備をしてはどうか」「リニアが実現するとビジネスチャンスが広がる。どこから見られても攻められてもきちんと対応できるものを備える覚悟がないといけない。どこからビジネスチャンスがくるかわからない」などの意見があった。

 第4WG(テーマ「環境」)の報告に対しては「地域コミュニティーが都会では潰滅状態。自治会などが何をしているのか遠巻きに見ている人が多い。新しい住民が最初から素直に入っていける人は少ない。情報の開示とアピールが大事」「環境が勝負。中国のスマートシティーより既存の都市を造り替えた方がいい。そこをもっとはっきり出さないといけない。脱地球温暖化の先端を走る旗を上げた方がいい」「まちレベルで徹底した低炭素化は世界で初めてになる。スマートシティーは提供者の論理。その土台として地域の資源を地域で使いこなす。中国はハイテク志向であり、地域の資源を使う発想はない」といった意見が出た。

 広域連合の委員のうち、松川町の竜口文昭町長は「リニアができると流れが変わる。グローバル化も進む。過去の遺産を発掘する受入側の準備と、若者も含めて地域づくりに挑戦していく必要がある。自然を生かした国際的な都市づくりも考えられる」

 牧野市長は「リニアが通ると外からの大きな流れをどういった形で受け入れるかが課題となる。公民館や地場産業センターの例に見られるように、どう使っていくか、どう新しい付加価値をつけていくか、地域や産業界全体で知恵を出して考えてきたから全国から注目されている。リニアに対しても、付加価値をつけていこうという考え方がこれから必要になる。どういった受け入れの形がいいか議論できるようになることを期待している」

 阿智村の岡庭一雄村長は「当地域が行っている様々な活動の中でも住民のレベルの高いものが検討会議で集約されてきているが、今までのレベルでは地域を再生維持していくことができなくなっている。その上に何をどうつくり上げていくかが求められている。リニアが来れば何とかなる雰囲気が問題と感じている。現実の問題をどう解決するかということとリニアの活用をどう結びつけるかが求められている」

 泰阜村の松島貞治村長は「リニアに期待することは経済自立度を高めること。地元の企業がどう成長できるかを考えていかねばいけない。同時に、環境で先端を走って低炭素の地域づくりが経済自立度につながるのであれば思い切って取り組みたい」とそれぞれ意見を述べた。

  

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