リニア最終答申案「南アルート選定変わらず」

リニア中央新幹線

[ 2011年 4月 22日 金曜日 15時42分 ]

 リニア中央新幹線の整備計画を検討している国土交通省交通政策審議会中央新幹線小委員会(委員長・家田仁東大大学院教授)は21日、国交相に答申する最終案をまとめ、発表した。中間まとめで示した「南アルプスルート」「超電導リニア方式」の選定と、建設・営業主体にJR東海を指名する基本的事項は据え置き、中間駅の位置決定や建設費負担のあり方について国の調整を促す付帯意見を追加。意見公募を経て正式決定し、5月中にも答申する。飯田下伊那地域への中間駅設置が確定的になったことから、中間駅の建設場所や費用負担をめぐる地元とJR東海との調整が今後の焦点となる。

 答申の柱となるルート、走行方式、建設・営業主体の指名については中間まとめを維持し、「ルートは南アルートが適当」「走行方式は超電導リニアが適当」「建設・営業主体にJR東海を指名することが適当」と明記。基本計画では山梨県甲府市付近―岐阜県中津川市付近間で3つに分かれていたルートが、南アルプスをトンネルで貫き、直線的に結ぶ南アルートに絞られた。

 付帯意見は中間まとめでも示した▽大阪までの早期開業のための検討▽コストダウンの重要性▽国際拠点空港との結節性の強化▽環境への配慮▽鉄道・運輸機構の技術等の活用▽戦略的な地域づくりの重要性▽整備効果を踏まえた国土政策及び交通政策全般の検討―を据え置く一方、一つの項目にまとめていた「整備効果拡大のための駅整備のあり方」「駅の位置に関する沿線地域との協力の重要性」「整備効果を踏まえた交通体系の検討」を分けて、より詳しい指摘に踏み切った。

 中間駅の位置については「JR東海が案を提示して沿線地域と調整することが適当だが、事業進行の管理から必要と認められる場合は、国が調整を支援すべき」とし、駅設置位置が決まらない場合に、国の関与を促す表現を盛り込んだ。

 建設費の分担については「JR東海が各駅の具体的な建設費用を精査し、沿線自治体が駅周辺の整備を担うことも勘案しながら、費用負担について考え方を示すべき」と指摘。関係者間で合意が得られない場合は「検討への国の関わり方も含めて、調整が行われることが望まれる」とする一方、国自身の財政的支援のあり方については言及を避けた。

 中間駅の位置決定については、既存市街地への近接性や在来鉄道との結節性に加え、高規格道路との連結や駐車場の空間確保の容易さにも配慮するよう指摘。途中駅を地域の「高度なトランジットハブ(交通結節点)」として機能させるよう促している。

 21日から5月5日まで意見公募を行い、正式決定。5月中にも国交相に答申する。

 その後、国交相が手続きを進めて整備計画を決定、建設指示を行う。

 中間駅の設置について「1県1駅」の方針を掲げるJR東海は、飯田市と下伊那郡の町村を含む“飯田エリア”への中間駅設置を想定。場所について山田佳臣社長は「造りやすいところにつくる」とし、飯田市以北の郊外への設置を想定していることを明らかにしている。

 一方、飯田市や南信州広域連合は、同市の中心市街地にある現飯田駅への併設を要望。地域の総意として意見を集約している。

 両者の考え方には食い違いが見られ、調整の行方に注目が集まっている。

 JR東海は12月までに環境影響評価に着手したい考え。その際、2―3キロ幅に絞った具体的なルートと駅の位置の設定を示すものと見られる。

  

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