リニア有識者会議スタート、将来構想を議論

リニア中央新幹線

[ 2010年 5月 19日 水曜日 14時08分 ]

 南信州広域連合は17日、リニア中央新幹線飯田駅設置を見据えて地域の将来像を検討する「リニア将来構想検討会議」を設立。有識者12人と市長、首長による広域連合のあり方検討会のメンバー計17人で構成する「有識者会議」の初会合を県飯田合同庁舎で開いた。有識者会議からのメッセージを受ける形で、各団体からの推薦者と市町村職員計65人で構成するワーキンググループを6月に設置。環境、産業、暮らし、教育の4つのテーマ別に検討し、各団体の代表者15人で構成する検討会議で11月をめどにビジョンの策定・取りまとめを行う。まとまったビジョンは第2回総決起大会を開催して発表するとともに、全国に発信し飯田駅設置をアピールしていく考えだ。

 いずれの会議も公開するほか、地域の住民を対象にした勉強会やシンポジウムなども計画していく。この日は約60人が傍聴に訪れ、熱心に耳を傾けた。冒頭あいさつで、牧野光朗連合長(飯田市長)は「地域の将来像を内外にしっかりアピールすることで飯田駅設置を確かなものにしていきたい。リニアがただ通ればいいというものでなく、どういう地域にしていきたいか明確なビジョンを描くことによってリニアの必要性が明らかになってくる」と強調した。

 座長に選出された(財)都市づくりパブリックデザインセンター理事長で(社)日本都市計画学会の低炭素社会実現特別委員会委員長の小澤一郎氏は「日本は閉塞状況といわれて久しいが、地方都市と周辺地域が元気になる新しいシナリオができないと従来の成長戦略の延長では難しい。会議では新しい視点をぜひ出してもらいたい。都市と地方の関係を含めたシナリオが日本の新しいモデルになり得る」とあいさつした。

 この後、委員全員がこれからの社会の動向や飯田下伊那の印象などについて一人ひとり意見を述べた。この中で「新幹線の駅ができた他の地域の事例を見ると、新幹線が通ったらどうするといった付け刃のものでない広域連携の視点が重要になってくる。玄関は必要だが、どんな立派な玄関をつくっても中に入って何もなければ滞在せずに帰ってしまう」「リニアの時間インパクトが何をもたらすか。地方で新幹線ができた都市は大抵若者が流出している。飯田はいかに定住につなげていくか」「時間的インパクトも大事だが、バリューインパクト(付加価値)も重要。飯田の付加価値は何か。例えば飯田で子育てすることになると教育と医療が重要になる」

 「大阪と違って京都の本社が東京に移っていないのはなぜか。都市の魅力が京都はかなり大きく、創造都市に近い魅力がある」「飯田の感想は非常に遠く(6時間)何もないが、何かが生まれるイメージを具現化できれば世界中から来る。楽しい夢のある生活を送る場所をどうつくるか。プライベートなことでよいので、自分の生活がどう変わるか考えてほしい。国際化の視点も非常に重要」「リニアが入ることによって三遠南信地域の北の玄関口として、都市から中山間地域まで一緒に生きていく意義は大きい」

 「優秀でやる気のある若者が海外に活躍の場を求めている。逆に言うと、環境を整えていれば若者は田舎であろうが海外であろうが来る。海外から優秀な人を呼び込むこともできる」「ポスト石油文明をもう一度つくり直していかねばならない。中山間地域には持続可能性がある。人材を国際的につくり世界に輩出していくしくみや、防災ナショナルセンターも必要」「リニアが来ようと来まいとこの地域で暮らすことが楽しいプランをつくりたい。リニアに依存する開発の方向は考えてほしくない。子どもや若い人に地域への関心をもってもらうことが大切」などの発言があった。

 有識者会議は7月と9月にも開催する。次回は、将来ビジョン策定に向けて具体的なアイディアを出してもらう。小澤座長は「リニアのインパクトは新幹線を超える。抵抗力をつけ対外的な持続可能性を構築するため何をやるべきか。その上で、対外的な成長戦略として具体的に何をするか議論したい」と説明した。

  

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