リニア残土処理、坑口別でも受け入れ確保

リニア中央新幹線

[ 2015年 9月 4日 金曜日 13時30分 ]

リニア残土排出 リニア中央新幹線の建設残土をめぐり、県内の自治体が可能としている受け入れ量が、坑口別の排出量でも一部を除いて上回る見通しとなっていることが南信州新聞社の調べで分かった。飯田市や大鹿、豊丘、喬木村の坑口から排出される残土は、同市村の他、駒ケ根市や松川町、下條村、上伊那郡中川村が活用する見通し。一方、阿智村と木曽郡南木曽町分は行方が定まっていない。

 

 県内工事で発生する残土は、トンネル分950万立方メートル、切り土分24万立方メートルの計974万立方メートルで東京ドーム7・6個分。市町村別では、大鹿村が最大で298万立方メートル、次いで豊丘村が222万立方メートル、飯田市が180万立方メートル、南木曽町が176万立方メートル、阿智村が71万立方メートル、喬木村が3万立方メートルとなっている。

 

 本紙の調べでは、大鹿村の298万立方メートルは、同村の10万立方メートルの他、松川町の窪地埋め立てなど3カ所で620万立方メートル、駒ケ根市内の市道改良で3万立方メートル、中川村内の県道改良で13万立方メートルの活用が検討されており、候補地の受け入れ量が発生量を大幅に上回っている。

 

 豊丘村は窪地2カ所の埋め立てで、喬木村は工業団地の整備で村内発生分を処理できる見通し。搬出経路としては、長沢田村線や竜東一貫道路が予想される。

 

 飯田市は候補地の計画を明らかにしていないものの、竜東地区の窪地の埋め立てや県道改良などで一定量を活用するものと見られる。一部は高速道路や国道151号線を活用し、100―200万立方メートルの活用を想定している下條村に搬出する可能性もあり、発生量全てを処理できる見通しが立っている。

 

 一方、阿智村と南木曽町から発生する残土の処分先は白紙の状態となっている。

 

 阿智村は、JR東海が搬出路として想定している村道1―20号線の整備や将来に行う公共事業での活用を想定し、最大で村内発生量と同じ70万立方メートル程度の受け入れを表明している。

 

 ただ、具体的な候補地の選定には至っておらず、県から候補地などについて調査をしたい旨の打診があったことも明らかになっている。

 

 村民の懸念を大きくしているのが、隣接する南木曽町が町内に処分地を設けない方針を示している点だ。

 

 JR東海の環境影響評価では、残土運搬車両の村内最大値として清内路の国道256号線沿いで1日最大920台と試算されているが、これは南木曽町の坑口2カ所で発生する176万立方メートルの搬出を含めた予測だった。

 

 同町は「土砂災害が多い地域のため、村内に処分地は設けられない」(担当者)の姿勢。木曽郡内で他の候補地はなく、清内路峠を超えて阿智村に運ばれる可能性が消えていない。

 

 村は県などに対し、「村外からの排出土の搬入・運搬通過の回避」を要求してきた。処分先だけを見るなら、隣接する下條村が適地だが、村民が懸念する昼神温泉周辺の国道256号線の通行が避けられない。

 

 打開策として浮上しているのが、昼神温泉以西のエリアへの処分場の設置だ。村内では一部で具体的な地域名が挙がったことがあるが、水面下を含めて調査などは一切行われておらず、村外の関係者からは焦りの声も聞かれている。

 

 JR東海の関係者は「県や村と調整しながら、阿智村内の候補地などについて、速やかに調査に入りたい」としている。

 

 村のリニア対策協議会の中では「候補地は限定せず、村民から公募して決める」とする声が出ており、今後の行方が注目される。

 

 残土の処分先についてJR東海は、県を窓口に公共活用の検討とあっ旋を求めており、関係市町村も加わる「建設発生土活用ワーキンググループ」が取りまとめている。

 

 あっ旋を受けた後、絞り込みを行う同社は「坑口に近い所ほどダンプの台数が減るため、優先順位が高い」としており、現場の近隣地から固まっていくものと見られる。

 

 

  

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