リニア環境影響評価の方法書説明会が終了

リニア中央新幹線

[ 2011年 10月 26日 水曜日 9時21分 ]

リニア飯田で説明会 リニア中央新幹線計画の環境影響評価(アセスメント)の手法を記した方法書をめぐるJR東海の説明会が24日、飯田市上郷の飯伊地場産業センターで開かれ、市民ら190人がJR東海の説明を受けた。質疑では自然や生活環境への懸念から計画そのものを疑問視する声が相次いだ。県内の方法書説明会は飯田が最終で、計6会場に835人が出席して44人が発言した。同社は11月10日まで意見を受け付ける。

 

 JR東海からは内田吉彦環境保全統括部長、奥田純三環境保全事務所・長野所長らが説明者として出席。他の会場と同様に解説映像を上映した後、奥田所長が補足説明を行い、水源域保全や文化財保護、磁界の影響など自然・生活環境への負荷に関する意見に対して事業者見解を伝えた。

 

 争点の水源域については「名水百選の猿庫の泉や松川の貯水池は回避する」と強調。回避の手法については質疑の中で「平面的に回避する」と説明した。

 

 質疑では6人が質問。自然環境への影響を懸念し、リニア計画そのものに反対する住民の声が相次いだ。

 

 飯田・リニアを考える会代表の片桐晴夫さん(72)=飯田市=は「本当に日本に必要なのか。学者といえど大自然を相手に分かることはわずか。自然をなめてはいけない」と指摘。他の男性は電力消費量を懸念して「膨大な電力量を確保できるのか」と疑問をぶつけた。

 

 同社は中央新幹線整備の意義について▽東海道新幹線の二重系化▽沿線地域の振興への寄与▽東海道新幹線の利便性向上▽6000万人人口の巨大都市圏誕生による国土構造の変化▽国際競争力の強化▽リニア技術の輸出―などを挙げ、「環境への影響を少しでも小さくするため、評価をする。着工までにはステップがあり、結論ありきでやっているわけではない」と説明。アセスメントで得られた結果が予測と異なる場合も想定し、「工事中、開業後も引き続き調査をして補っていく」とした。

 

 電力量についてはピーク時の瞬間的消費電力が27万キロワットと想定していることを明かし、「電力会社の余力の中で十分にまかなえる」とした。

 

 市内の博物館で働く男性は、アセスメントの結果などを記した準備書の公表から着工までの期間が短い点を指摘し、トンネル掘削による建設発生土の処分方法などをめぐって評価のあり方を質した。

 

 同社は「発生土の量はトンネルや斜坑をいくつ造るかによって変わる。具体的計画が出るのは準備書の段階。まずは方法書で方法を先に示し、事後調査の中でやっていく」と回答した。

 

 中央構造線や活断層帯を横断するルート設定への不安や、段丘下をトンネルで通過する際の地上部への電磁波の影響などを懸念する声のほか、南アルプスルートによる飯伊への中間駅設置を歓迎する意見も。断念が伝えられている一部区間の先行開業を求める声に同社は「指令系統や車両基地などをつくることを考えると時間がかかる。部分開業よりは全体を一斉スタートした方が良いと考えた」と答えた。

 

 終了後、内田部長は6回にわたる説明会について「住民のみなさんの関心の高さを実感した。沿線地域の方々に説明することができ、十分に意義があったと考えている」と総括。住民からの意見について「今後に生かしていきたい」と話した。

 

 方法書に関する意見の受け付けは11月10日まで。同社ホームページ内で提出できるほか、郵送も可。

 

 飯田市元町のJR東海環境保全事務所・長野でも住民からの質問に応じる。

 

 

  

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