リニア見据え主体的な地域づくりを、有識者と首長ら意見交換

リニア中央新幹線

[ 2014年 5月 13日 火曜日 12時19分 ]

 南信州広域連合は10日、2027年に予定されるリニア中央新幹線の開業を踏まえた次期広域計画(基本構想基本計画)の策定委員会の第2回を飯田市追手町の県飯田合同庁舎で開いた。有識者らがリニアを見据えた地域振興への所見などを述べ、飯田下伊那の市町村長らと意見交換。策定委員や市町村職員など約70人も聴講し、今後の計画検討の参考にした。

 2010年に同広域連合が策定した「リニア将来ビジョン」の検討にも関わった有識者のうち6人が出席。昨年9月にJR東海が同市上郷飯沼付近とする県内駅位置やルートを公表するなど、ビジョン策定時からの状況の変化を踏まえて助言した。

 日本経済研究所の大西達也調査局長は「リニア開業で東京で働き、別の地域に住む人も出てくる。南信州が(住む場に)選ばれるかどうか、今から準備して早すぎることはない」と指摘。「訪れる人」を増やすための視点として「リニアで稼いだ時間を何にゆっくり使ってもらうかが大事。JR飯田線を含む二次交通の使い方に力を入れるべき」と述べた。

 三菱UFJリサーチ&コンサルティングの加藤義人主任研究員も都市圏とのアクセス時間の短縮効果を踏まえ「研修や合宿、会議にいい立地。スポーツの日本代表のキャンプもどうか」と提案した。行政が中心となった英語教育などグローバル人材を育てる地域システムの構築も促した。

 コンサルティング会社「テイク・ワイ」の竹内宏彰会長は「主語を各自に置き換え、リニアビジョンをどう実現するか考えてほしい。目の前の課題はあろうが、皆さんの町、村、家庭でリニアが来たらどうしたいかを考えて」と呼び掛けた。

 都市づくりパブリックデザインセンターの小澤一郎理事長は「将来ビジョンの具体化には民間の知恵と金と人材が重要。夢を持てるかどうかが求められる」として、公公・民民など新たな主体間の連携を期待。東京大工学系研究科の瀬田史彦准教授は伊那谷全体の新たな都市圏の形成に向けた付加価値を生み出す産業を、愛知大地域政策学部の戸田敏行教授は世界を含む広域的な視座に立った地域づくりを求めた。

 意見交換で高森町の熊谷元尋町長は県内駅について、沿線の山梨、岐阜の両県駅との優位性の違いを質問。識者らは「山梨の甲府は歴史的に首都圏側を向き、岐阜の中津川は名古屋圏の仲間入りとなるが、飯田は独立圏的地域。新産業や新たな目的機能をふくらますべき」(加藤氏)、「多様性と一体感の使い分けが重要。飯田は首都圏とも名古屋圏とも組めるポジション」(大西氏)などと答えた。

 首長からは「リニアを前向きに考えたい」(豊丘村長)、「開業前のこの10年に南信州、伊那谷をPRできるかが勝負」(阿智村長)、「中山間地で住み続けられるための資源の循環の仕組みをつくり、個性や魅力を発信したい」(根羽村長)、「指摘された当地域の潜在力をどう生かし、実現するかが私たちの仕事」(高森町長)などの意見が出た。

  

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