リニア見据え基礎調査検討会議スタート

リニア中央新幹線

[ 2012年 4月 26日 木曜日 15時08分 ]

 県下伊那地方事務所と南信州広域連合は25日、リニア中央新幹線の開通を見据えた「飯伊地域の地域づくり基礎調査事業」にかかる検討会議の初回会合を飯田市追手町の県飯田合同庁舎で開いた。有識者による委員18人のうち13人が出席。基礎調査の柱でもある土地利用、交通体系、産業立地の現状や今後のあり方などを部会ごとに議論し、本年度末に提言をまとめる方針などを確認した。

 地域づくり全般をめぐる意見交換では「飯伊全体で地域の空間構想図を形成すべき」「部分ではなく全体最善の視点が大事」など大局的な観点での議論を求める声のほか、新たな価値や産業の創出なども地域振興のキーワードに挙がった。

 同基礎調査事業は、リニアと三遠南信自動車道の整備効果を飯伊の広域に生かす狙い。基礎調査と検討会議を通じて、土地利用、交通体系、産業立地の現状や課題を整理した上で提言をまとめ、今後の各市町村や団体などの具体的な取り組みに役立ててもらう。現在策定中の県の新総合交通ビジョンとの整合も図る。

 検討委員は公共交通や経済、農業、土地利用など幅広い分野の地元関係者や飯伊に精通する大学教授、3首長などで構成。座長に野外教育研究財団の羽場睦美理事長を選任した。

 初会合の意見交換では「次世代を担う子どもたちが地域に愛着がないと未来はない。強みを把握し、地域全体を良くする構想が重要」「リニアを生かし、飯田へ人が降りたり、若者が帰ってくるような必然性のあるまちづくりを目指さねば」などの声が出た。交通体系に関しては「交通は基本的には副次的なもの。地域のトータルプランがあってこそ議論できる」の指摘もあった。

 地域の現状に関して、農商工や観光などの産業面、少子高齢化などの課題も挙がり「現状ではリニアによるストロー現象は必ず起きる。リニアは脅威でもあり、地域が破壊されないようどう善玉にするか真剣に考えなくては」「最先端のリニアと自然という相反するものをどう生かすのかが問われる。求める地域像はミニ東京ではない。産業創出が重要」「豊かさなど既存の価値観の議論も求められる」など様々な意見が出された。

 委員6人ずつの3部会での検討は6月中旬以降に始め、年度内にそれぞれ4回ほどを見込む。全体会は部会の進ちょく状況に合わせて開き、9月に中間報告を予定する。年度末の基礎調査の報告書の内容は▽飯伊地域の現状と課題▽リニア開業や三遠南信道の開通により予想される変化▽飯伊地域の土地利用、交通体系、産業立地のあり方の提言―などを予定する。

 県下伊那地方事務所地域政策課の説明によると、基礎調査は公募による委託業者が実施。飯田市座光寺から高森町下市田にかけて予定されるリニアの県内駅とを結ぶ主要交通体系や交通量、アクセス時間などを地図や図表にまとめるほか、九州新幹線やリニア山梨実験線における残土処理の事例、土地利用に関しては東北新幹線と東海道新幹線の5駅の周辺の現状なども整理する。

  

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