リニア計画「大鹿の生活影響を懸念」県環境委が審議

リニア中央新幹線

[ 2014年 2月 3日 月曜日 15時04分 ]

 リニア中央新幹線計画をめぐり、JR東海が示した環境影響評価準備書を審議する3回目の県環境影響評価技術委員会が31日、県庁であった。委員からの質問はトンネル掘削などで排出する建設発生土の処理に集中。搬出経路が限られる大鹿村の生活への影響を懸念する声が相次いだ。

 委員ら14人が出席し、審議した。

 発生土の搬出について、県環境保全研究所水・土環境部長の小沢秀明委員は「環境負荷に対して不安の声が出ている大鹿村を考えると、非常口を減らしたり、本線を活用して搬出し、負荷を減らすなどの掘削計画の変更は検討できないか」と質問。

 同研究所主任研究員の富樫均委員も大鹿村釜沢を挙げて「わずか5キロの範囲に4つの斜坑口とトンネルの明かり区間、変電施設など重要構造物を集中させていることが異常」と指摘し、「地元の感情からすれば、工期より環境配慮を優先させてほしい。どこまで譲歩できるか、きちんと検討してほしい」と述べた。

 これに対し、JR東海の沢田尚夫・中央新幹線建設部担当部長は「2027年の開業を目指すことは大前提で、その中で何ができるかという姿勢で進めたい。工期を見直す考えはない」と強調し、南アルプスの掘削が長期化すると予測していることから、「基地にして早期に着手したい」と説明した。

 一方、負荷軽減策として、2つの非常口と本坑の一部を結ぶ釜沢―上蔵間を早期に貫通させ、釜沢から搬出する土の運搬に利用する考えをあらためて示し、「坑口を余分に設けたのは、住居に近い道路をダンプが通らないようにする目的。なるべく早く貫通させ、道路環境の良い非常口から出したい」と語った。

 小沢委員は「工区別に時間差を設けて工事を行い、集中期を分散させられないか」と質問。沢田部長は「ずらして平準化できることはしていきたい」と答えた。

 桜美林大学リベラルアーツ学群教授の片谷教孝委員は「大鹿からの意見は静かな地域であることに基づいたもの。それに対し、努力するからそれでいいという回答は大きな問題。アセスは地域の周辺の皆さんが安心できるよう説明することが目的。そういう観点で評価書の記載を修正してほしい」と要望。沢田部長は「責任をもって精いっぱい努力していく。評価書の中では、分かりやすい表現で書くことを考えたい」とした。

 減水や渇水が懸念される地下水については、富樫委員が「不確実性がある地域で事前・事後調査を行うとしているが、調査範囲や調査手法を明確にしてほしい」と要求。同社は「工事説明会などで、より踏み込んだ考え方を示せるよう検討したい」と応じた。

 非公開で希少動植物への影響についても審議。付近で目視されたとされる環境省絶滅危惧種の野鳥のミソゴイについて同社は、確認された営巣地が計画地から離れていたとし、工事前に目視による調査をする考えを示した。

  

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