リニア評価書めぐり 知事や首長らが環境相に後押し求める

リニア中央新幹線

[ 2014年 5月 15日 木曜日 12時32分 ]

 リニア中央新幹線の環境影響評価で、阿部守一知事と南信州広域連合長の牧野光朗飯田市長ら沿線の3首長が13日、環境省を訪れ、工事車両の削減や小渋川橋梁の再度の見直しなどを求める要望書を提出した。工事車両の運行をめぐってJR東海と沿線が結ぶ協定は、評価書で明確に位置付けるよう指摘。JR東海が4月に国土交通相に提出した同書に対し、国交相に送る環境相の意見に反映するよう求めた。

 阿部知事と牧野市長、柳島貞康大鹿村長、宮川正光南木曽町長らが同省を訪問し、谷津龍太郎事務次官に手渡した。

 要望事項は▽工事車両の通行に伴う生活環境への影響低減▽非常口(斜坑)の環境負荷低減▽小渋川橋梁の計画見直し―の3項目。工事車両は「地域の実情に応じた方策による最大限の削減」と、「協定締結の評価書での明確な位置付け」を求めた。

 「地形・地質上のリスクが大きい」として知事意見が計画の見直しを含む検討を求めていた小渋川橋梁は、JR東海が評価書の中に従来計画を維持する考えを記載。これに対して「専門的見地から線形について検証し、技術的に可能と判断されれば、変更について意見を」と求めた。

 非常口は、県の枠を超えた広域的な観点で見直し、削減を検討するよう求めたほか、必要性のない斜坑を供用後に廃止するよう要望した。

 冒頭以外は非公開で行い、終了後に知事らが質問に応じた。

 阿部知事は工事用車両の運行について「協定締結によってしっかり地元とJR東海が合意し、対応してほしい」と強調。小渋川橋梁のトンネル化は「県環境影響評価技術委からリスクが指摘されており、国交省の技術的な知見をしっかり入れた上で、どこまで対応できるか考えてもらいたい」とした。

 牧野市長は、水資源の保全についても地域協定を結ぶなど沿線住民への分かりやすい姿勢を明示するよう求めたとし、「さまざまな環境の観点で、地域と協定を結ぶ取り組みが必要だ」と話した。

 柳島村長は、知事とともに工事車両に関わる協定締結の明確化を強く求めた。小渋川橋梁は「安全性と景観の面からもトンネルにしてほしいということを伝えた」とした。

 宮川町長も観光面への影響に懸念を示し、岐阜県も含めて県境域に4カ所計画されている非常口を「3カ所に」と求めた。

 受け取った谷津事務次官は「地元の意見を聞きながら、しっかり審査したい」と話した。

 工事車両に関する協定締結をめぐって、JR東海は「文章が必要なら、どのようなやり方でも応じることが可能」として、沿線の要望に柔軟に応じる姿勢を示している。

 小渋川橋梁のトンネル化は、評価書で「工期と掘削土量が増加するなどの影響が生じる。安全性の高いところに計画している」として、変更しない考えを示している。

 JR東海の評価書に対し、環境相が国交相に意見し、国交相はそれを踏まえて7月22日までに同社に意見を述べる。

  

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