リニア駅周辺デザイン 乗り換えと交流の両立へ 改札からの移動距離試算

リニア中央新幹線

[ 2018年 6月 12日 火曜日 16時47分 ]

飯田市が整備するリニア県内駅の設計案

 飯田市は11日、リニア中央新幹線県内駅(同市上郷飯沼・座光寺)周辺整備(約6・5ヘクタール)の基本設計を検討するデザイン会議の第3回を市役所で開き、スムーズな乗り換えと交流機能の両立に向けた平面計画案の概要を説明した。駅改札から、バスやタクシーの乗降口(交通広場)への移動距離の試算も提示。最も遠い北口のバス乗り場で180メートルとなり、長野駅(長野市)や松本駅(松本市)など県内主要駅と比べても同程度か短くなるとした。

 3月の前回会議では、整備区域の中央に駅の高架下空間も利用した「交流広場」を設け、周囲に駐車場や魅力発信施設などを配置する案が示されたが、委員から「交通広場が遠くならないか」「円滑な乗り換えや移動が重要」といった意見が出ていた。

 そのため、設計チームは駅周辺整備で求める機能の共存・両立に向けた考えや課題をより具体化。タクシーやバス、一般車の乗降は北口の交通広場に概ね集約するが、南口のパーク&ライド駐車場や国道沿いでも可能な設計とし、改札から一般車乗り場までは北口で130メートル、南口で80メートル程度と試算した。

 改札を出てすぐに交通広場を設けるのではなく、適度な距離をとることで「移動しながら、さまざまな情報を得たり、買い物や体験をしたりが可能。地域の魅力発信にも生かせる」と説明。高架下や広場空間の一体的な活用を通じ「地域民の日常的な居場所や活動の場も目指す」とした。

 整備区域内の交通計画では、交通の分散や円滑化を狙いに、北側の座光寺上郷道路から土曽川を渡り、交通広場につながる「土曽川横断道路」の新設を提案した。周辺の渋滞予測として、観光シーズン時は国道153号と座光寺上郷道路の交差点周辺で「90分間最大450メートル」を見込む一方、横断道路の新設で約15%減の「同384メートル」に縮まるとの試算を伝えた。

 このほか、北側のパーク&ライド駐車場は平面と立体の2カ所を見込み、自動運転など将来のモビリティに対応した配車動線や機能を検討していく。駐車場や魅力発信施設などは「運営者等の管理方式」も検討課題に位置付けた。

 基本設計は年度末までに策定する。今後のスケジュール案によると、10月中に南北広場や高架下、魅力発信施設など駅前空間の大まかなデザインを決め、11月に市民説明会を開くという。

 会議の意見交換では、駅前空間のコンテンツ(中身)の具体化に向け、掘り下げた議論や認識の共有を求める声が目立った。

 学識者からは「機能的な議論に集中しているが、デザインに落とし込むためのフィロソフィー(哲学)や文化的な議論が不十分。挑戦的でなければ魅力にはならない」「民間パワーを取り込む時期に来ている」など、住民や産業界の代表からも「オンリーワンの飯田駅を望む」「6・5ヘクタールすべてで魅力の発信を」「総花的でなく特徴的な誘導が重要」などの意見があった。

  

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