リニア駅周辺整備、移転代替候補地は3エリアに

リニア中央新幹線

[ 2016年 10月 1日 土曜日 14時08分 ]

代替地候補地

 飯田市は9月30日夜、リニア中央新幹線の県内駅が設置される上郷飯沼北条地区で住民説明会を開き、リニア事業に伴い移転を迫られる住民への代替地候補地として、駅周辺の3エリアを示した。国道153号を挟んだ東側エリアの大半は丹保地区で、農業振興地域の農用地区域(農振農用地)に指定されており、2017年度から、解除を含む用途地域の見直しを進める。駅周辺整備区域(約6・5ヘクタール)の用地買収は19年度の開始を見込んだ。同日は牧野光朗市長も出席し「整備計画の見通しがなかなか見えず、住民に心労を掛けて申し訳ない」と陳謝した。

 

 候補地エリアは、駅周辺整備区域の西側隣接エリア(北条、白地地域)と南側隣接エリア(北条・飯沼南、第一種・二種住居地域)、国道を挟んだ東側エリア(北条・丹保、おもに農振農用地域)。リニア本線と駅周辺整備区域の計約7・8ヘクタール(移転対象約100棟)を満たせる規模を見込む。

 

 牧野市長は「今後に3エリアの地権者を回り、用地提供の交渉を進める」と説明。「移転を余儀なくされる皆さんに、こうしたエリアで良いかどうかの意向も確認しながら、代替地を正式に決定したい」と述べた。代替地の登録制度のほか、不動産業者との連携による紹介、市道建設を含む新規の宅地造成も行う。

 

 牧野市長は代替地・土地利用の方針として「移転対象者(リニア本線・駅周辺整備)すべての移転先を確保できるまで、関係機関と連携しながら、市として責任を持って対応する」と強調。このほか「事業主体(JR東海・県・市)ごとに不公平が生じないよう十分配慮する」「駅周辺の土地利用を見直し、都市計画法の用途地域の指定を行う」とした。

 

 リニアの駅や本線の建設により、コミュニティーの分断が懸念される県道市場桜町線西側の市道整備に関しては、地元要望も踏まえ、駅舎を南北にまたぐ歩道橋などを検討するとした。

 

◇見通し不安の声強く

 

 30日の北条地区の説明会では、駅位置公表から3年が経過しても、生活に関わるリニア関連計画の見通しが見えないことへの不安や不満が噴出。代替地エリアや用地補償の詳細、JR飯田線の乗換新駅の必要性をめぐっても多くの質問や意見が出た。

 

 冒頭に牧野市長は「リニア本体、駅周辺整備などの計画の見通しがなかなか見えず、多大な心配を掛けたことを心よりお詫び申し上げる」と陳謝。「地権者の理解なくして事業を進めることはできない。これまで守り続けた場所から移転することの大変さを受け止め、さまざまな課題に対し、しっかりとサポートする」と述べた。

 

 説明会では、移転が見込まれる住民からの「生まれ育って70年。離れることは本当に切ない。市はこの3年間何をしていたのか」「現実の不安を見てほしい」といった声を受け「一人一人にどう寄り添うかについて今一度考えていく」などと答えた。

 

 開会時に「細心の配慮や住民不安の払拭といった言葉はよく聞いてきたが、根幹への回答を期待したい」とあいさつした北条まちづくり委員会の木下喜文会長(66)は、終了時に「うやむやしていたものが若干は出てきたのではないか。市長の『すべての移転先を確保できるまで責任を持つ』との言葉を大切にとらえ、先の見える話し合いをしていきたい」と求めた。

  

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