伊那山地「戸中」今夏着工へ

リニア中央新幹線

[ 2020年 2月 27日 木曜日 15時07分 ]

 リニア中央新幹線計画を巡ってJR東海は26日、伊那山地トンネルの「戸中・壬生沢工区」(6・6キロ)のうち、戸中非常口を中心とする東側約4・4キロに関する工事説明会を豊丘村内で開いた。残る2会場の説明会や林地開発の行政手続きを終えた後、夏ごろの準備工事着手、年内の斜坑掘削開始を目指す。

 着工の前提となる工事説明会で村内4会場を計画。非公開で行い、26日までに2会場を終えたが、残り2地区は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため開催を延期する。

 戸中・壬生沢工区は、大鹿村~豊丘村間の伊那山地トンネル(全長15・3キロ)の西側。本坑の壬生沢坑口から坂島非常口先の斜坑交点付近まで。工事説明会で対象にしたのは東側の「戸中」約4・4キロで、西側の「壬生沢」は別途開くとした。

 計画によると、夏ごろに工事用道路やヤード造成に着手し、戸中非常口から本坑まで約1キロの斜坑について、年内の掘削開始を目指す。本坑の掘削は、斜坑着手から1年後を見通している。

 新型コロナの影響で2会場の工事説明会が伸びることから、遅れる可能性もあるという。

 戸中非常口からの残土は、近くの戸中残土置き場(約26万立方メートル)にベルトコンベヤー(約230メートル)で運搬する。本山残土置き場へも約43万立方メートルを搬出するほか、村事業の村道佐原線道路改良で約6万立方メートルを活用する。

 工事車両の運行は、村道黒谷線~広域農道~県道長沢田村線~戸中非常口と、村道長沢線~広域農道~村道佐原線~戸中非常口の2ルート。佐原線の広域農道以西の改良後は、佐原線を通行する3ルート目が加わる。

 各ルートとも運行台数は1日最大60台で、重複部分(広域農道の一部や戸中非常口付近)は120台となる。村道長沢線~戸中非常口は坂島工区の車両(1日最大100台)、村道黒谷線~広域農道のルートは中部電力変電所工事の車両(1日最大100台)がそれぞれ重複する。

 JRと各工区のJV(共同企業体)、中部電力は定期的に打ち合わせてピークが重ならないよう調整するほか、地域や学校と連絡を取り合い、行事などに留意した運行計画にするとしている。また、作業員の交通安全教育や交通誘導員の配置などの安全対策を行う。

 水資源の環境保全措置では、トンネル掘削時に先進ボーリングなどで地下水の状況を把握して掘り進め、防水シートや覆工コンクリート設置などの対策を行う。また工事前、工事中、工事完了後に河川流量などを監視し、減水や渇水の兆候があった場合には、代替水源を確保する。

◇   ◇

 説明会は19日に林原木門地区、26日に河野区・堀越区を対象に開いた。

 河野・堀越会場の参加者によると、豊丘北小学校付近が工事車両通行ルートとなっていることから、通学時間帯の安全対策について念押しする意見があったという。

 延期した田村区と佐原地区での説明会は、今後感染症の状況をみて、地元と協議して開催時期を判断するという。

  

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