伊那谷自治体会議開く

リニア中央新幹線

[ 2017年 11月 14日 火曜日 15時46分 ]

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 リニア中央新幹線を生かした地域振興を探る「伊那谷自治体会議」(座長・阿部守一知事)は13日、県伊那合同庁舎で会議を開き、二次交通の検討について論点を整理した。リニア駅と結ぶ各地域の交通結節点を核にしたネットワーク形成を軸に、来訪者と居住者双方の視点を考慮してあり方と移動手段を探る方向。飯田市が示したJR飯田線への乗換新駅設置は、地元負担の請願駅としてJR東海に協議を申し入れる方針に同意した。

 会議は飯田、伊那、駒ケ根市と、上下伊那の広域連合などで構成。本年度2回目で、首長らが出席し、県庁の阿部知事とテレビ会議でつないだ。

 二次交通は▽地域の交通結節点の拠点性向上▽来訪者と居住者の視点を考慮した交通ネットワークと移動手段―を柱に検討を進めることにした。

 議論の経過や有識者の意見を踏まえ、事務局の県が来訪者と居住者の視点別で論点を整理。来訪者視点では効果的な直行便を探るものの「昼神温泉など一部に限定される」との見通しから、「リニア駅と地域の交通結節点をつなぎ、結節点から目的地をつなぐ」とする考え方を中心に据える。

 居住者視点でも「拠点性を有する結節点を核とするネットワーク形成が必要」と判断。「来訪者の移動と一体的に検討する必要がある」とまとめた。

 開業まで10年間を2段階に分け、後半の具体化に向け、前半は調査や基礎的検討をする。

 南信州と上伊那の地域振興局は、アクセス調査の計画を提示。伊那谷居住者と県外の観光客・居住者の計4000人(県外居住者はインターネット)を対象に年度内に実施し、現在と開業後の交通手段や二次交通を聞き、潜在需要を把握する。

 合わせて飯田線の速達性や利便性の向上、観光資源としての利用も探る。

 白鳥孝伊那市長や杉本幸治駒ケ根市長は「実用化する」との見通しから、「自動運転技術を視野に入れた検討を」と要望。松島貞治泰阜村長は、県が交通結節点の一案に挙げた「道の駅」を踏まえ、「地域の側も道の駅までの交通をしっかり考える必要がある」とした。

 阿部知事は「飯田線の観光利用やリニア駅周辺の高速化を考える必要がある」と指摘。「周辺にヘリポートは設置できないか」との問いに、牧野光朗飯田市長は「どういったところに設置できるか可能性を探っている」と答えた。

 県は首都・中京両圏で実施した企業50社対象の聞き取り調査の結果も示した。リニア開業後の伊那谷への立地意向を聞いたが、「長野県駅を知らない」との回答が多かった。

 一方、「自然の魅力や二次交通があれば余地がある」との声もあり、「自然以外の魅力が伝わっていないことが課題」と指摘。知事は「今から売り込む必要がある」と述べ、市町村に対し、地域の側で企業に提供できる資源をまとめるよう求めた。

 

「請願駅」でJRに要請へ

 

 同会議は席上、飯田市が示した飯田線への乗換新駅の設置計画に同意し、JR東海に協議を申し入れる方向を決めた。

 牧野飯田市長が計画を説明。「リニア駅から平坦に歩ける場所。事業手法や財源の検討をしながら、開業までにJRと協議を進めていけたら」と述べた。

 座光寺上郷道路や土曽川をまたぐ橋の上部を含む約110メートル区間で、駅周辺整備区域の出入り口までは2つの新設県道を経て約280メートル。

 建設費は新駅建設に5~6億円、県道の歩道に設けるシェルター整備に2億円程度を見込む。

 杉本駒ケ根市長は「提案に感謝している。アイデアを出し合い進めていけたら」、阿部知事も「意思確認をして次のステップに進んで」と歓迎。上伊那からの強い要請があった事案で、異論はなく、JRに対して請願駅として申請することを決めた。

 年内にもJRに申し入れる。県は「今後、詳しい構造の検討や費用負担などについて諮っていく必要がある」とした。

  

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