住民に寄り添う姿勢強調

リニア中央新幹線

[ 2020年 11月 19日 木曜日 15時16分 ]

 飯田市内を通るリニア中央新幹線を巡り、佐藤健市長は18日夜、県内駅(飯田市上郷飯沼、座光寺)周辺整備などで移転を迫られる住民らとの意見交換会を北条振興センターで開いた。政治姿勢に「対話と現場主義」を掲げ、リニア課題についても直接話を聞く場を設けたいとしていた。この日参加した約70人と向き合い、冒頭では「これまで市としてきちんとお願いしてこなかった。申し訳ない」と陳謝した。

 佐藤市長は2011年のルート決定や駅位置が決まって以降、対象となる住民に「大変な心労と心配を掛けてきた」と述べ、対象外の市民にも「生活環境やコミュニティーが大きく変わることへの心配や負担を掛けている」と加えた。

 副市長だった当時の立場に言及し「もっとできたであろうという忸怩(じくじ)たる思い」とも。リニア効果を指摘した上で、住民の負担や心労を忘れることなくリニア事業を進めていく考えを示した。

 住民からは移転に伴う土地や家屋の補償費に対する不満が相次ぎ、これまでの市の対応を「寄り添っていたとは思えない」との批判の声も上がった。

 市は「丹保・北条」、「唐沢・宮の前」(座光寺)、「共和」(同)の3区域で移転代替地を整備する。北条・丹保の用地約2・7ヘクタールのうち宅地は2・2ヘクタールで、全73区画。移転代替地を巡っては補償費と代替地の価格に開きがあるとし「補償費だけでは移転できない」の声。そのため自分で借地を探したが、農地転用に時間がかかるとして手続きの簡素化を求める参加者もいた。

 県内駅からJR飯田線への接続を円滑にする乗り換え新駅の考え方を問われると、改めて取りやめる意向を示し「元善光寺駅とを新しい公共交通で結ぶことを考えている」と説明。現状については「計画が固まっている段階ではない」とし、伊那谷自治体会議で合意が得られれば「次のステップを提案する」とした。

 初めて行った意見交換会は1時間40分に及び、意見や要望が次々と出された。参加者からは「このような機会が得られてうれしい」との声も。最後に佐藤市長が締めくくると拍手が起こった。

 佐藤市長は取材に「移転する住民にとって重たい9年間だったと思う」と受け止めた。

◎写真説明:佐藤市長との意見交換会

  

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