リニア駅の設置見据え、住民主体で「考える会」

リニア中央新幹線

[ 2011年 2月 25日 金曜日 0時35分 ]

 飯田市橋北、橋南まちづくり委員会、東野まちづくり会議は23日、同市吾妻町の市公民館で「リニア新幹線を見据えたまちづくりを考える会」を開いた。三菱UFJリサーチ&コンサルティング研究開発第1部長の加藤義人さんと飯田市役所企画部参事(リニア推進対策担当)の木下悦夫さんの2人を講師に迎え、リニアがもたらすであろうプラス効果を最大限に活用した地域づくりのあり方を考えた。

 リニア駅設置によって産業立地の可能性が高まるなどプラスの効果が期待できる一方、ストロー現象といったマイナス面も指摘されるなど、その影響を正しく理解することが狙い。3地区の住民ら約50人が参加した。

 講演会で加藤さんはリニアが飯田地域に与える影響について解説。約30年後を想起するリニア時代について人口減少社会を指摘し、「大都市圏への人口集中は進むが、大都市圏だけでは産業・経済の活力を維持できない」とした上で、「大都市圏は定常的な交流が可能な地域として大都市交流圏を構成する。南信州は日本経済を下支えする地域になり得るが、交通結節拠点の形成が課題」と語った。

 また低炭素化による電気化、無人化の波を捉え「物流の第2東名、旅客のリニアとして、低炭素・無人化国土軸地域と性格づけられ、世界レベルの先進地域として注目を集める」と強調。さらにICT(インフォメーション、コミュニケーション、テクノロジー)社会の到来を見据え「すべてではないが、会社に通勤しなくても仕事ができるテレワーク社会が到来する。しかし、いざという時に対面できる地域が有利」とし、「他にない魅力、生活基盤の充実が必要」と助言した。

 その上で、南信州地域発展の道程では「一度は流出した若者が知識や経験、人脈を持ち帰ることは利点。飯田で能力を発揮するためには都市の総合力を高める必要がある」と述べ、さらに郊外駅設置事例では中心市街地の地盤沈下例が報告されている点を踏まえ「顔が見える都市化の観点から、現駅併設が望ましい」と結論付けた。

 講演後の質問では「郊外の駅設置でも発展しているところはある」の意見に対し、加藤さんは「人口減少時代において、長い時間をかけて集積ができるかどうか疑問。なるべく既存のストックを活用するにこしたことはない」と強調。「市街地の立ち退きや区画整理を考えると現駅併設は現実的ではない」の意見には、木下さんが「地域の協力がもっとも大きな課題。市街地の真ん中を通すことは不可能だが、既存の飯田駅を併用して最小限になる形をと考えており、理解を深めていくことが大事」と返答した。

 主催者の一人、橋南まち委の加藤尚弘まちづくり委員長は「50年、100年先に禍根を残さないよう頑張るとき。県や国に地域の熱い思いを届けなければならない」と呼び掛けた。

  

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