南信州広域連合がリニア講演会開く

リニア中央新幹線

[ 2011年 2月 18日 金曜日 9時09分 ]

 南信州広域連合は16日、飯田市のシルクホテルで開かれたリニア中央新幹線建設促進飯伊地区期成同盟会と三遠南信道路建設促進南信地域期成同盟会の総会終了後、同会場で講演会を開いた。飯田線の前身、伊那電気鉄道の敷設に尽力した伊原五郎兵衛翁の孫で元参議院国土交通委員会専門員・室長の伊原江太郎氏が「リニア中央新幹線飯田駅を見据えた地域づくり」、国土交通省中部地方整備局飯田国道事務所長の杉井淳一氏が「三遠南信自動車道の整備について」とそれぞれ題して講演。主催者側の予想を上回る約350人が熱心に聴講した。

 伊原氏は先ず、リニア中央新幹線建設構想の背景について「酷使される東海道新幹線はこのままではもたない。大規模地震発生エリアが200キロメートル以上含まれているため、代替線も不可欠。リニアがいよいよ現実のものとなり、主役はリニアに移る。新幹線は今の半分に細る」などと説明した。

 リニア飯田駅開業後のイメージとして「1日の推定乗降客数は7000人。現在の飯田駅は単体で1200人、付近合わせて3000人という1日の乗降客数を前提とすると、計1万人程度の移動が見込まれ、かなりいいかたちでスタートできる」と予測。南信州地域における経済波及効果として「駅舎建設による生産誘発額は539億円以上、また単年度の施設効果の便益額は46億円、50年間の総便益額は1300億円が期待できる。他方、東京・名古屋圏など沿線地域の企業を中心に年間8700億円程度の需要創出効果が期待される」と説明した。

 その上で、伊原氏は「リニアにより他地域との利便性が格段に改善されるが、良いこと尽くめばかりではない。南信州に魅力がなければ再度訪れる客も減り、まさに一時の開業効果に留まる」と警告。「先ずは暮らしの足場固め・基盤づくりを通じての体制整備、信州の表玄関としての飯田の佇まい、日本の奥座敷・南信州も一案ではないだろうか」と提案した。

 最後に「リニアを迎え撃つために、南信州の将来を正しく見据え、決して道を誤らないようにしなければならない」と強調。そのためには、第1に「駅の設置場所は極めて重要。南信州全域にその好影響が均てん(等しく潤う)されるためには、それに相応しい場所を選定しなければならない」とし、まちづくりの歴史と既存施設の有効活用の必要性などを説いた。

 第2に「ダーウィンの『進化論』にあるように、強い生き物が生き残るのではなく、環境変化に適応できるものが生き残る」と指摘。「いかなる分野においても使命感や志を一にして、直面する課題の解決に導こうとする協調的精神の高揚感が広く定着すると、すべてついてはやる気次第、その地域は自信に満ちた居心地良い社会に生まれ変わる」と述べた。

  *    *

 飯田国道所長の杉井氏は三遠南信自動車道の概要から役割、必要性など整備効果を紹介した後、新たに設置する龍江ICについて説明した。

 杉井氏は「飯喬道路については、天龍峡から飯田東ICまでを2工区として工事を進めてきたが、ちょうど中間にあたる天龍峡ICから約4キロの場所に龍江ICを設け、2015年度の開通を目指して整備を進めていきたい」と報告。「柿野沢中央線から入った辺りの工事用道路を有効に活用し、15年度の供用を目指してがんばっていきたい」とした。

 また全面展開している2工区のほか、3工区にあたる飯田東ICから矢筈トンネルまでの7・5キロについては「現在測量や地質調査、設計を進めている」とし、青崩峠道路については「約6キロのうちの5キロはトンネルになる。この5キロには非常に大きな意味があり、危険物車両が通行できる基準が5キロ以内。現在、詳細設計で発注している延長は4998メートルで、今後測量を行いながら構造を検討していくが、2メートルは誤差の範囲内」とも述べた。

 最後に「リニアにしても三遠南信道にしても、一人ひとりが開通後の自分の生活、または地域がどう変わるのかをイメージすることが大事」と強調した上で、「自分のビジョンを持って、この地域がどれだけ豊かになるかということに対し夢をもって議論ができれば、地域も活性化していく」と呼び掛けた。

  

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