JR東海「南アルートこそ県内に便益もたらす」

リニア中央新幹線

[ 2010年 5月 12日 水曜日 8時05分 ]

 リニア中央新幹線の整備計画を検討する国土交通省交通政策審議会中央新幹線小委員会(委員長=家田仁東大大学院教授)が10日に開かれ、JR東海のヒアリングを行った。県内で意見が分かれている経路問題をめぐり、山田佳臣社長は「南アルプスルートで進めるしか道はない」と強調。飯田エリアへの設置を想定している県内駅については中央道との連携活用を提言し、「南アルートこそ県内に便益をもたらす」とした。

 3回目の今回は、山田社長ら同社の幹部を参集し、説明を聞いた。

 経路問題について同社長は「全額自己負担で建設する以上、伊那谷や木曽谷ルートではあらゆる面でデメリットが大きい」とし、南アルートの優位性を強調。「たとえ一部を補填すればいいだろうという話があっても、マイナス部分をカバーして余りあることは考えられない」との表現で、南アルート以外に選択肢がないとする考えを伝えた。

 長野県内駅の活用については、金子慎常務が図表を示して「県内では伊那谷ルートを求める声があるが、北部の長野新幹線、中部の中央線に加え、南部にリニアが走ることで新しい観光ルートの拡充の可能性が高まる。中央線や飯田線にオーバーラップしない南アルートこそ、プラスの便益を提供できるものと考えている」と説明。飯田線との連携についてを問う質問には「飯田線は線形が困難なため、大きな力を持たせる路線に改善することは事実上無理。中央道との連携で南北につなげることを考えたい」と答えた。

 開業の時期については、経営状況によっては前倒しも可能だとし、「できる限り早く開業したい」と主張。着工の時期は、南アトンネルの工期を10年間と想定していること、技術の継続性を重視していることなどを挙げ、「山梨実験線の延伸工事に続く形で取り組みたい」とし、13年に完了する延伸工事に続き、14年内に着手したい考えをあらためて示した。

 また、リニア開業後の在来線の運営については「運営の効率化を目指すが、赤字であっても12路線の在来線は維持する」と力説した。

 同社はまた、リニアの料金案についても初めて言及した。東京―名古屋間は「のぞみ」比で700円増し、東京―大阪は1000円増し、名古屋―大阪は400円増しを想定。「実際の料金は開業直前の経済状況や東海道新幹線の料金を踏まえて決める」とした。

 山田社長は「国の予算や状況に縛られながらの推進は勘弁願いたい」とも発言。高速道路無料化にも触れ、国に対して「プロジェクトの推進力を阻害することがないようお願いしたい」と求めた。

 審議を見守った飯田商工会議所の尾澤敏秀専務は「JR東海が南アルートしかないという態度を明確に示されたことが印象的だった。今後もJRの取り組みを応援していきたい」と話していた。

  

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