土地取得し、造成後も管理

リニア中央新幹線

[ 2020年 7月 10日 金曜日 15時15分 ]

 リニア中央新幹線計画を巡りJR東海は9日、豊丘村の戸中残土置き場計画地の周辺環境の調査と影響検討の結果、保全措置計画を公表し、報告書を県や村に送付した。残土置き場については、JRが土地を取得し、造成後も管理を行う方針を示した。

 飯田下伊那地域で計画している残土置き場の管理を巡り、JRが土地の取得を明言したのは初めて。報道陣の取材に明らかにした。報告書には「管理は当社で行うことで協議中」と記載している。

 戸中の残土置き場は、伊那山地トンネル「戸中・壬生沢工区」(6・6キロ)の戸中非常口に隣接。同非常口から出る残土のうち26万立方メートルをベルトコンベヤー(全長約270メートル)で運搬し、約3ヘクタールを造成する。盛土の高さは最大で20メートル。

 計画では、夏ごろに工事用道路やヤード造成に着手。戸中非常口から本坑までの約1キロの斜坑は今冬に掘削を開始する予定という。

 環境調査と保全計画は、大気や水、土壌環境、動植物、生態系など6項目についてまとめた。

 設備の必要面積や設備配備を考慮して盛土を計画し、「土地の安定性は確保できる」と判断。造成完了後もモニタリングを行い、必要に応じて追加の環境保全措置を実施する。JRが土地を取得し、盛土と水路の管理も同社が行う方向で地権者らと協議しているという。

 水資源の保全では、トンネル掘削時に先進ボーリングなどで地下水の状況を把握して掘り進め、防水シートや覆工コンクリート設置などの対策を行う。また工事前、工事中、工事完了後に河川流量などを監視し、減水の兆候があった場合には代替の水源を確保する。

 動植物では、計画地周辺に環境省のレッドリストで準絶滅危惧に指定されているアカハライモリやカキツバタ、コムラサキ、ミスミソウの生息・生育を確認。生息・生育域の回避を図っても十分に環境が保全されないと判断し、専門家の助言を受け工事前に移す。カキツバタは既に移植を終えている。

 公表された内容は2月から村内で行われた説明会で地元住民に説明されており、JRのホームページでも公開されている。報告書は16日の県環境評価技術委員会で審議される。

◎写真説明:戸中残土置き場の計画地

  

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