大鹿村でリニア南アトンネル起工式

リニア中央新幹線

[ 2016年 11月 1日 火曜日 16時59分 ]

001リニア起工式

 東京―名古屋間で2027年の開業を目指すリニア中央新幹線計画で、JR東海は1日、南アルプスを貫く全長約25キロの長大トンネルのうち大鹿村内を中心とする長野工区(8・4キロ)の起工式を同村大河原で開き、着工した。県内初の工事着手で、同トンネルでは昨年12月着工の山梨工区に続く。柘植康英社長は「地元のみなさんとよく連携をとって工事を進めたい」と述べ、地域との連携を重視する姿勢を強調した。工期は2026年までの約10年間。

 

 同社や施工するJV(共同企業体)、県、飯田下伊那地域など沿線自治体の関係者ら約100人が出席。小渋川非常口を置く右岸のヤードにテントを設け、計画している坑口に向かって安全祈願式と起工式を順に開き、神事では山田佳臣会長が鍬入れを行って工事の安全を祈願した。

 

 あいさつで柘植社長は「これまでにない大変難しい工事になるが、JVと一緒に乗り切っていきたい」と決意。「何をおいてもまずは安全に工事を進め、地元の皆さんの生活、素晴らしい環境を保全することに心する」との姿勢を示した。

 

 来賓として出席した阿部守一知事は「大きな経済波及効果をもたらすのみならず、地域が新たな地域振興の取り組みを進める契機になる」と期待を寄せつつ、工事に際して「工事用車両の安全な運行、残土の適切な処理、安全対策にくれぐれも万全を期し、地域との合意事項はもとより、引き続き、地域のさまざまな思いに真摯(しんし)に、誠実に対応してほしい」と求めた。

 

 大鹿村の柳島貞康村長は式後、「一つの区切りを迎えた。JRには今後も丁寧な説明を求め、住民生活への影響を減らすよう努めてほしい」と語った。

 

 南アトンネルは長野、静岡、山梨の3県をまたぐ山岳トンネルで、長野工区は同村釜沢の坑口を起点とし、静岡市内の一部を含む東に向けた全長約8・4キロ。

 

 標高850メートル余の小渋川坑口から、1200メートル余の県境付近に向け、穿穴・装薬、発破、土砂搬出、吹き付けなどを繰り返すNATM工法で掘り進める。

 

 上部の山脈の標高は県境付近で区間中最高の約2600メートルとなり、地表との距離は約1400メートルに達する。四万十層群、中古生層群など複雑な地層を掘るため、難工事が予想されている。

 

 鹿島建設(東京都)を代表とし、飛鳥建設(同)、フジタ(同)の3社からなるJVが施工する。

 

 年内は除山と小渋川の非常口でヤード造成を行い、来年1月から作業用トンネルを掘り始める。リニアが実際に走る本線の掘削は作業用トンネル到達後で、計画では2017年度末から18年度初頭としている。23年春ごろの全線貫通を目指す。

 

 今後に工事契約する伊那山地トンネルも含め、大鹿村から出る残土は約300万立方メートル。大半は村内8カ所の残土置き場に仮置きし、県道松川インター大鹿線の改良後、19年春から25年度半ば頃にかけて村外に運び出す。

  

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