恒川遺跡めぐり JR東海が回避と近接の矛盾指摘

リニア中央新幹線

[ 2013年 2月 2日 土曜日 13時22分 ]

 リニア中央新幹線の中間駅設置や路線設定をめぐり、飯田市などが回避を求めている座光寺の恒川(ごんが)遺跡群について、同市教育委員会が約500メートル四方の全域を史跡指定する方針をJR東海に伝えていたことが31日、分かった。JR側は不快感をにじませ、同市などが望む飯田線駅との近接に対し「折り合いをつけることが難しい」と疑問を呈した。

 市教委が史跡指定する方針を示したエリアは、元善光寺駅を挟む東西約500メートル、南側約500メートルのエリア。JR東海によると昨年末に行った環境影響評価をめぐるヒアリングで、市教委が全域を史跡指定する方針を伝えたという。

 これについてJR東海・環境保全事務所長野の奥田純三所長は「遺跡群に重要な文化財があることは承知しており、環境影響評価で適切に調査する」とする一方、「すでに宅地化が進んでいるエリア全体を史跡指定することは聞いたことがない」と不快感をにじませて「仮に元善光寺駅を中間駅の最寄り駅とした場合、市などが望む近接と折り合いをつけることが難しくなる」と語った。

 一方、市教委は「当初からJR東海に対して重要な遺構であることを伝え、全面回避を求めている」と説明。開発が進んでいるエリアの全面指定についても「他の事例がある」とし、JR東海との間に認識の違いがあることを示唆した。

 また、「近接と折り合いがつかない」との考えをJR東海が示したことについて、飯田市の木下悦夫リニア担当参事は「遺跡群の回避と飯田線との近接は矛盾しない」との認識を示し、「我々は水源域や遺跡群などの回避をJR東海に求めている。それらを踏まえて検討され、ルートが示されるものと思っている」と話した。

 市教委によると恒川遺跡は奈良時代から平安時代にかけて伊那郡の郡庁「伊那郡衙」が置かれていたエリアで、税金として集めていた稲や雑穀などを保管していた「正倉(しょうそう)」の遺構がみつかっている。郡庁の場所は特定できておらず、エリア全域が史跡として重要だという。

  

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