木格子大屋根を象徴に 飯田市がリニア駅周辺デザイン案

リニア中央新幹線

[ 2018年 10月 17日 水曜日 15時11分 ]

リニア駅周辺整備の立体模型(茶色の部分が木製大屋根)

リニア駅周辺のイメージ図。上から順に「芝生と水盤」「高架下スペース」「北口エントランス広場」「木格子の下の活動イメージ図」 飯田市は16日、リニア中央新幹線県内駅(同市上郷飯沼・座光寺)の周辺整備(6・5ヘクタール)の基本デザイン案を示した。検討を進めてきた木製の大屋根を含め、一帯のイメージ図や立体模型を公開。大屋根は県産材を使い、伝統工法の「木格子」で形成することで「長野県駅のシンボル」に位置付ける。この日は区域内に現存する蔵や樹木などの活用提案もあった。

 基本設計を検討する第4回リニア駅周辺整備デザイン会議で明らかにした。設計チームによると、大屋根は駅舎から南北に配置する駐車場や各施設をつなぐ動線上に連続して設ける。木格子の上を透光性の不燃材で覆うことで雨や強い日差しなどを防ぎ、人形劇など市民活動の舞台にもする。スギやヒノキ、カラマツなど多様な県産材を活用することで森林文化を表現する。

 佐藤健副市長は「機能性やデザイン性、インパクトを備えた長野県駅のシンボルとしたい。小径材による修繕を含め、資源循環型の駅も目指す」と説明。同会議の副会長で東京芸大建築科の北川原温教授(飯田高出身)は「木格子の屋根は(リニア駅の)一つの象徴となろう。伝統工法への世界的評価は高く、発信力や求心力になる」と期待した。

 他の委員からも「大屋根は魅力的」「特徴が明確になった」などおおむね好評を得た一方、広範囲にかかる建設費や将来にわたる維持管理費への懸念が出た。「市民参加のメンテナンス方法や仕組み作りが必要」「空港のような使用料を若干でも徴収すべきでは」といった提案を受け、佐藤副市長は「コスト面への心配はあるが、知恵を出して対応していきたい」と話した。

 整備区域は住宅地にあたり、リニア事業に伴う移転者が多く出る。設計チームは「地域の方々が暮らしてきた歴史に敬意を払い、現存する蔵などの建物や樹木などの一部を残し、地域の『暮らしの履歴』を感じられる空間とする」構想も示した。今後に詳細な状況調査を進めるという。

 基本設計のデザイン案は学識者専門委員や市民ワークショップなどでの議論を経てまとめた。意見交換では、駅舎などリニア構造物との調和やユニバーサルデザイン、将来の交通手段や需要の変化への対応などを重視する声も出た。

 市は同日の会議で、駅周辺施設への民間活力の導入に関し、事業参画に関心がある企業や団体などとの意見交換会を11月21日に開くと発表した。12月2日には、基本設計検討案の市民説明会も開く予定。基本設計は年度内を目途に策定する。

写真説明(上)=南口側から見たリニア駅周辺整備の立体模型(茶色の部分が木製大屋根)

写真説明(下)=リニア駅周辺のイメージ図。上から順に「芝生と水盤」「高架下スペース」「北口エントランス広場」「木格子の下の活動イメージ図」

  

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