本紙創刊60周年記念でリニア開通を見据えた講演会

リニア中央新幹線

[ 2015年 8月 4日 火曜日 12時08分 ]

 南信州新聞社の創刊60周年記念事業の一環で、リニア中央新幹線建設促進飯伊期成同盟会、本社共催の「リニア中央新幹線の開通を見据えた講演会」が1日、飯田市育良町のシルクプラザで開かれた。国土交通省鉄道局の藤田耕三局長が講師を務め、「中央新幹線と日本の鉄道」と題して講演。国にとっても、地域にとっても未経験の従来の次元とは異なる高速鉄道の開業に向け、「想像力と知恵を働かせて準備を」と呼び掛けた。

 藤田氏は冒頭、JR東海のリニア中央新幹線計画の特徴として▽世界初となる超電導磁気浮上式▽高速性を発揮するための直線的経路▽国内で初めて民間企業が建設する新幹線―の3点を挙げて「国にとっても過去に経験がない新しいプロジェクト。しっかりサポートしたいし、地域にもサポートをお願いしたい」と思いを語った。

 「リニアができると社会がどう変わるのか」については、「結論から言うと分からない」とした上で、国土のグランドデザイン2050で掲げている「スーパーメガリージョン(巨大都市圏)」の形成をキーワードに挙げた。

 東京、名古屋、大阪が1時間圏内となり、人口6000万人の一つの都市として捉えることができるという考え方。「ヒトだけでなく、モノやカネ、情報、知識、文化が集積し、この集積した状況の中で交流が生まれ、新しい価値が生み出される」とした。

 飯田下伊那地域からの視点では、駅を中心とする面として巨大都市圏に入ること、八王子や横浜、千葉などと同じ東京から45分の通勤圏に含まれること、世界では都市集積と自然の両方を生かせる地域に本社機能を設けている企業が存在していることなどを挙げて「(従来とは)まったく違う時間距離の次元となるため、想像できない部分もあるが、想像力と知恵を働かせて、地域づくりを考える必要がある」と語った。

 整備新幹線の開業を迎えた地域で見られた効果も伝えて「スピードが圧倒的に違うため、整備新幹線の沿線で起こったことが必ずしも当てはまるかは分からないが、マイナス面も見て冷静に、これまでとは違った概念の高速鉄道に備えることが大切だ」とした。

 1962(昭和37)年から取り組むリニアの技術開発の歴史や、超電導磁気浮上の仕組み、国が評価した安全性などについても解説。残土の問題やその運搬が地域住民の生活環境に支障する問題にも触れて、国交相が工事実施計画を認可する際に指示した▽最大限地域の理解と協力を求める▽環境の保全に万全をきす▽安全かつ確実な施工をする―の3点を強調した。

 結びに「この事業は大変に重要なプロジェクト。円滑に2027年の開業を迎えられるようにし、この地域や国の活性化につなげたい。それには地域の理解と協力が不可欠。開業後を見据えて具体的な検討を進めて」と呼び掛けた。

 同盟会が主催し、南信州新聞社が共催。同盟会会員や市民ら約250人が参加して聴講した。

 藤田鉄道局長は、大分県出身。東京大学法学部公法学科を卒業した後、1982年に運輸省に入省。大臣官房政策評価審議官、総合政策局公共交通政策部長、大臣官房総括審議官などを経て、2014年7月から同職を務めている。

  

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