松川町の残土処分候補地が難航

リニア中央新幹線

[ 2018年 9月 29日 土曜日 13時51分 ]

松川町内の残土造成候補地

 リニア中央新幹線の建設工事で出る残土処分を巡り、処分候補地のある松川町の生田3区(生東、福与、部奈)による会合が28日夜、町役場で開かれた。3候補地のうち、中山(30万立方メートル)を除く2カ所について取り下げる方針を確認。中山は再度持ち帰り、1カ月後に開く次回会合で適否を判断する。

 松川町の残土置き場には、トンネル掘削で大鹿村から出る残土を埋める。

 この日の会合は非公開。町担当課によると、3地区の役員ら13人のほか深津徹町長、担当職員が出席した。候補地の中山は適否の判断を次回会合に持ち越し、残り2カ所については取り下げることで一致したという。候補地全てをいったん白紙に戻し、町が再募集を行う提案も出席者から出され、意見を交わした。

 町側は示された方針を尊重する姿勢で、次回会合後に開く町リニア対策委員会に報告する。

 生東の候補地は中山(30万立方メートル)、つつじ山(100万立方メートル)、長峰(490万立方メートル)の3カ所。町は3カ所の計620万立方メートルの活用を考え、2014(平成26)年に候補地として県を通じてJR東海側に情報提供した。

 情報提供後の進展が見られない中、今年1月、候補地の生東と周辺の福与、部奈を含めた生田3区の関係役員らが集まり、候補地選定後の段階まで戻って3候補地の適否を検討する方向で合意。3地区の相互理解と協力を基本とし、町が主体的に加わって会合を重ねてきた。

 3候補地のうち先行する中山について、JRは造成計画と安全対策を生東区に提示している。造成計画によると、盛り土面積は約6ヘクタール。暗渠(あんきょ)排水管を設置し、上流に向けて延伸する。土砂流出対策として最下流部に土留工を設ける。また深い位置でのすべり崩壊を抑制するため、埋設工を3カ所設置する。埋め立て後は田畑に戻すことを考え、上流側の2カ所に農業用水を安定的に供給するため池を造る。山林と斜面部は、植樹や種子吹き付けによる緑化を検討する。

 残土の受け入れ条件・目的として地元区が求める県道の完全2車線化についても、改良の検討範囲(約4キロ)と改良箇所のイメージを示している。

 候補地を巡っては、候補地の下流域に当たる福与区が過去の土砂災害を踏まえ「急傾斜地で崩壊の恐れがある区域に大量の土砂を埋めることは容認できない」とし、候補地の取り下げを含めた再検討を町側に要望していた。

 トンネル掘削で大鹿村から出る残土は300万立方メートル。大半は村内に仮置き後、改良工事完了後の県道松川インター大鹿線を使って村外へ運び出す。松川町の処分候補地へ搬出される見通しだが、まだ決定はしていない。

 残土の村外への搬出は20年秋以降から始まり、25年半ば頃まで続く見通し。

  

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