水枯れ、残土に懸念の声 リニア青木川工区 大鹿村で説明会

リニア中央新幹線

[ 2018年 9月 22日 土曜日 14時13分 ]

全村民向けに行われた説明会

 リニア中央新幹線伊那山地トンネル「青木川工区」の着工に向け、JR東海は21日夜、作業用トンネル(非常口)ができる大鹿村の全村民を対象にした説明会を村交流センターで開いた。村民からは水枯れ対策や残土処分に懸念の声が上がった。同社は工事説明会でのやりとりを踏まえ「理解を深めていただいた」とし、工事に向けた手続きを進める考えを示した。

 青木川工区は、大鹿村―豊丘村の伊那山地トンネル(15・3キロ)のうち大鹿村内で東側の約3・6キロと非常口からなる。山腹から作業用トンネルを豊丘村方面の本線に向かって約600メートルほど掘り、到達点から大鹿村方面へ本線を掘り進める。

 8月29日に坑口周辺の住民を対象に行った工事説明会に続き、JRは全村民向けに説明の場を設けた。

 古谷佳久担当部長らが出席。工事説明会と同様に、トンネルの施工手順、工事用車両の運行計画と安全対策、環境保全について説明した。

 住民ら約60人が参加し、質疑応答では工事による減渇水後の対応や残土処分に関する質問が相次いだ。観光への影響を心配し、土曜の休工を求める声も出た。

 JR側は、工事による減渇水が認められた場合は住民生活に影響がでないよう応急処置を施すといい、住民の意見を聞きながら恒久対策を行う方針。

 作業用トンネルからは約65万立方メートルの残土が出る。残土は仮置き後、青木川上流にある残土置き場候補地の深ケ沢(7~8万立方メートル)に埋めるほか村総合グラウンドの整備などに活用する。松川町の候補地へも運び出す計画だが、まだ決定していない。

 早ければ10月から道路改良工事に着手し、来年1月ごろから非常口工事のヤード整備に入る。作業用トンネルの掘削は来年夏ごろから。掘削は3カ月ほどで完了する見通しで、本坑の掘削開始は来年の冬ごろになる。

 1ヘクタールの工事ヤードには残土の仮置き場や濁水処理施設、防音タイプの重金属判定用土砂ピットなどを備え、環境保全対策として周囲に仮囲いと防塵ネットを設置する。仮置き場の容量は2万立方メートル。

 工事時間帯とトンネルの工法は、最難関工事とされる南アルプストンネル長野工区(8・4キロ)と同じ。トンネル掘削は昼夜の発破を基本とする。重機を使って掘削し、防音壁の設置後に発破掘削を行う計画で、騒音や振動を測定するなど影響を確認しながら夜間の発破を開始する。

  

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