牧野市長が年頭所感と市政経営の方向を発表

リニア中央新幹線

[ 2011年 1月 8日 土曜日 8時31分 ]

 飯田市の牧野光朗市長は7日の新春記者会見で「リニア時代を見据えた21世紀型戦略的地域づくり」を掲げた2011(平成23)年の年頭所感と市政経営の方向を発表した。冒頭、同市長は「政治も経済も混迷を深め、将来のビジョンを見出すには不確定、不透明な要素が多い現在、自分たちの地域の羅針盤を自らつくって市政経営にあたることは大きなチャレンジ」と強調。昨年5月に南信州広域連合の下にリニア将来構想検討会議を設置し、郡市民と各分野の有識者が様々な視点から将来の地域像を議論し策定した「リニア将来ビジョン」の具体化へ決意を表明した。

 リニア将来ビジョンについて、牧野市長は「これまで策定された計画やビジョンとはいささか異なる特徴がある」と指摘。「リニア中央新幹線の実現が地域に与える影響は、今後の地域づくり如何によっては諸刃の剣になり得る。移動時間の大幅な短縮により産業立地の可能性向上や交流人口の拡大などでプラスの効果が期待される一方、ストロー現象などマイナスの影響も懸念される。プラス面の効果を最大限に生かし、マイナス面の影響を最小限に抑えるための地域づくりを今から推進していくためにリニア将来ビジョンを策定した」と説明した。

 その上で「国の交通政策審議会の中間報告の中で、リニア沿線地域に対し『戦略的地域づくり』の重要性が強調されたが、リニア将来ビジョンの策定は、この戦略的地域づくりを先取りするかたちになっている」とその意義を強調した。

 また、リニア将来ビジョンが16年後のリニア時代を想定した超長期のビジョンであることから「その実現には代を継いだ取り組みが必要」と指摘。「今から目標達成に向けた取り組みを具体化する一方で、将来その取り組みを引き継いでくれる次の世代を育成していかなければならない」として、「自分たちの地域を学び合う」「他地域の取り組みから自らの地域を学ぶ」「自分たちの地域を起点に構築する人材育成ネットワーク」の3つの視点の重要性を強調した。

 このほか、リニア将来ビジョンの特徴として、同市長は「広域連合の広域計画に反映されるだけでなく、飯田市の第5次基本構想ではリニア飯田駅設置に向けての都市像を位置づけていく。三遠南信地域連携ビジョンにおける北の玄関口としてのリニア飯田駅の役割をより明確化する」と述べた。

 その上で、同市長は「リニア将来ビジョンは、昨年10月に飯田市で開催された定住自立圏全国市町村長サミットの基調講演で学習院大学の佐々木毅教授が提唱した、人口増や高度成長が前提であった20世紀とは違う21世紀の考え方にも通じる。21世紀型の考え方でものを考え、様々な仕組みの組み替え作業を、覚悟を持って遂行することなしには展望が開けない」と言及。

 「交通政策審議会でも審議のベースになっている全国新幹線鉄道整備法は、JR東海の自己負担による整備を前提にしていないため、中間駅の位置のあり方や費用負担などについて、どのようなルールで調整がなされるのか明確ではなく、まさに仕組みの組み替えをしなければならない」と主張。「地元自治体としては、人口減少、少子化、高齢化の時代にあって、将来地域を担う世代に過度な負担を背負わせるようなことがあってはならず、極力マイナス面の影響を抑える覚悟と努力が必要になる」と強調した。

 記者からの質問に、牧野市長は「地元自治体とJR東海の考え方は違うので調整が必要。調整は難航が予想され、国の関与が必要になる。国が調整の役割を果たしていくことが基本となるが、そのような仕組みの組み替えはまだ見えていない。これからパブリックコメントなどを通じて働きかけていくが、地元の理解を得ないと同意が必要な環境アセスに入っていけない」と述べ、国の関与による調整のための仕組みづくりが不可欠との見通しを示した。

  

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