リニア中央新幹線計画で、県の新総合交通ビジョン・リニア中央新幹線関連交通特別委員会(委員長・黒川洸計量計画研究所代表理事)は9日、初会合を開き、飯田下伊那地域を訪れて概略ルート一帯を現地調査した。喬木村では高台から中間駅の設置エリアを見学し、JR東海の説明を聞いた。午後3時から飯田市内で意見交換会を開いた。
特別委に所属していない委員も含め、5人が来飯。オブザーバーの北陸信越運輸局、中部地方整備局や県職員ら20人も同行し、喬木村のアルプスの丘公園、高森町の下市田駅、飯田市の元善光寺駅や中央自動車道座光寺パーキングエリア周辺を視察した。
中間駅設置エリアの下市田、座光寺エリアを眺望できるアルプスの丘公園では、随行したJR東海の社員から、3キロ幅の概略ルートや5キロ円の中間駅設置エリアの解説を受け、地図と照合させながら確認。「中央自動車道はトンネルでくぐるのか」「駅の長さはどのぐらいになるのか」などの質問を寄せ、「上段の中央自動車道はトンネルで下をくぐることになる」「駅はホームと手前の切り替え部を入れて1キロほどの長さになる」などとする説明を受けた。
路線のイメージをたずねる質問にJR東海は「トンネル間の明かり区間で天竜川をわたり、中間駅となる。そしてまたトンネルに入るイメージだ」などと答えた。
視察後は、市内のホテルで意見交換会を開く。
特別委は交通政策の専門家や市町村代表などで構成し、昨年12月に発足した県新総合交通ビジョン検討委12人のうち、兼任の7人でつくる。今回が初会合で、今後2、3回の会合を開き、3、4月をめどにリニア骨子案をまとめる。
ビジョンには、2013年からリニア開業年の2027年までの15年間をめどに中央・北陸両新幹線などの新たな高速交通網のほか、地域生活に密着した公共交通なども踏まえた県内の交通体系整備のあり方について総合的な指針を盛り込む。全体の検討委は来年度から再開し、計10回程度の議論を経て、12年度末までの策定を目指す。