自民リニア委作業部会の宮下座長に聞く

リニア中央新幹線

[ 2014年 5月 6日 火曜日 14時51分 ]

 JR東海のリニア中央新幹線計画をめぐり、大阪まで全線を同時開業させるための財源案をまとめた自民党リニア特別委員会作業部会座長の宮下一郎衆院議員は本紙の取材に応じ、6月に政府がまとめる骨太方針と成長戦略に同案を盛り込むことを目指し、調整を進める考えを示した。名古屋―大阪間の建設費3・6兆円を国が無利子で立て替える案で、国債や財投機関債の発行による資金調達を想定している。

 宮下議員は全線開業の効果として▽経済波及効果の上乗せ▽大動脈のリダンダンシー(多重性)の強化▽技術開発へのインパクト▽羽田、伊丹空港の活性化―を挙げた。

 事業主体のJR東海は、東京―名古屋間を2027年、名古屋―大阪間を2045年に開業する2段階方式で債務のピークを分け、負債の最大額を5兆円以下にとどめる計画を示している。

 特別委の案は、第2局面となる名古屋―大阪間の建設資金を国が調達して無利子で立て替える内容で、建設を前倒す一方、同社は現行計画のスケジュール内で名古屋―大阪間の元本部分を運輸収入などから返済することができる。

 完成までの所有権は国または機構が持ち、開業後に譲渡。JR東海は建設、運営とメンテナンスを行い、開業後は全線の運輸収入を得られる。

 宮下議員によると、返済開始までの据え置き期間は、市場に対して有利子負債として認識されないようにし、格付けや資金調達力に影響を与えない配慮の体制を組むことも視野に入れているという。

 財源は国債か政府保証付きの財投機関債を発行して調達する。国は金利などを負担するが、元本部分はJR東海が返済するため、長期視点で見れば「国が出しっぱなしになることはなく、債務も増えない」とした。

 すでに官邸や国交省には考えを伝えており、今後はJR東海に説明して調整し、財務省とも話を詰めたいとしている。

 短期的には公共事業の予算枠が拡大するため、「政府の決断が必要」と宮下議員。「数十年単位で見れば、債務は増えず、開業による経済成長で十分コストを上回る効果を得られる」とし、政府が6月にまとめる骨太方針、成長戦略の重要戦略に盛り込むことを目指すと強調していた。

  

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